テラドローンは、今年10月、テラドローンのグループ会社であるTerra Inspectioneering(本社:オランダ)が、窒素肥料メーカーであるヤラ・インターナショナル(本社:ノルウェー)に対し、UTドローンによるプラント設備点検を実施したことを、2020年11月27日発表した。

今回点検サービスを実施したヤラ・インターナショナルのプラント設備

 ヤラ・インターナショナルは、ノルウェー・オスロに本社を置き、世界50カ国以上に拠点を持つ世界最大手の窒素肥料メーカーである。尿素・硝酸塩・アンモニアなどの窒素化合物を主とした窒素肥料の製造・販売などを行っている。

 この点検では、Terra Inspectioneering社製のドローンで目視点検・板厚検査(非破壊検査)を実施。超音波検査が可能なUTドローンで板厚検査をすることで、点検作業員が設備内に立ち入る時間を最小限にし、新型コロナウイルスの感染リスクを避けた点検サービスを行った。目視点検においては、Flyability社の製品を使用した。

今回使用したTerra Inspectioneering社製のUTドローン

 さらに、新型コロナウイルス対策以外にも、UTドローンを使用することで安全性の向上、レポート作成の簡素化、設備稼働停止期間における損失の削減などのメリットが見込まれる。現在、資源が豊富な欧州では、UTドローンが主に石油化学系の設備点検に活用されつつあるという。

参考:UTドローンが屋外で板厚検査を実施する様子

※今回実施した点検ではなく、他のプラント点検時の様子

Terra Inspectioneeringについて

 2016年5月13日にRoNik Inspectioneeringとしてスタート。板厚検査を含むオイル・ガス系貯蔵タンクの点検・メンテナンスを中心としたサービスを提供してきており、欧州の大手オイル・ガス会社を中心に200件以上の実績をもつ。2019年にテラドローンが出資を完了させ、Terra Inspectioneeringに社名を変更。現在では、独自のUTドローンを用いたタンクの壁厚点検に注力。ドローンを使った肉厚測定技術も開発し特許を取得している。目視検査や熱検査も行う。ドローンで収集した検査データは、クラウド上の検査対象物の3Dモデルを介して共有され、クライアントがアクセス可能なシステムを構築している。