2019年11月7日、テラドローンは、同社のグループ企業Terra Inspectioneering(オランダ)と共同で、UTドローンを活用した非破壊検査(NDT)の実証実験を某発電所の煙突にて実施したことを発表した。

煙突内部でUTドローンが飛行する様子

 同社は、当該煙突をUTドローン(超音波検査が可能なドローン)を活用して点検。主に、高さ約150m・130m付近の煙突内部の支持部材周辺を対象とした板厚検査を実施した。この点検で取得したデータは、煙突の保全計画等に活用することができるため、大幅なコスト削減が期待できる。

 煙突を含む石油・ガス設備の板厚検査を行う際、ドローンを活用することで、従来、高所での作業に必要とされていた仮設足場の組み立てや撤去にかかる時間を削減できる。さらに、検査期間が大幅に短縮されることから、人件費の削減、検査中の施設稼働停止による損失の削減を実現することが可能である。

 使用する機体の重量は、安全飛行のため約2.5kg。オランダの特許を取得した、接触触媒(カプラント)ディスペンサーが搭載されており、飛行中でも探触子にカプラントの供給が可能であるため、効率的に検査を進めることができた。また、3つの高精度カメラが搭載されており、飛行中のドローンからの映像、またUTグラフを地上から即時的に確認することができた。

約150mの高さにある支持部材の様子(検査後、カプラントの跡が確認できる)
地上のモニターにて確認できるUTグラフ(例)

 テラドローンは、今後もUTドローンを活用した非破壊検査の普及に努めていく、としている。