旭テクノロジーは、米国シリコンバレーに研究開発の拠点をおくEAVISION(本社:中国)が開発した完全自律飛行ドローン(型式名:EA2020)の取り扱いを8月20日より開始した。

農薬散布ドローンEA2020

 現在、農業従事者が抱える重労働作業や作物の発育不良の問題を解決する手段として、本機体で農薬散布することにより作業負担の軽減や農薬散布作業の効率化、減薬野菜の育成を実現し、最終的には農作業時間の短縮化や作物収穫率の向上、収益率の向上が見込まれる。

▼EA2020 紹介ページ(旭テクノロジー)
https://atcl-dsj.com/drone_service/ea2020/

大手通信会社の高精度GNSS位置情報サービスを活用してネットワークRTKを運用

 これまでドローンはGPSのみで飛行を行ってきたが、受信できるGPS数が少ない場所や時間帯により、測位精度の正確性に欠けていた部分があった。

 ネットワークRTK(Real Time Kinematic)という基準局(Base Station)からの補正情報を組み合わせる事により、現場で取得した衛星データと周辺の電子基準点の観測データから作成された補正情報を組み合わせ、リアルタイムで効率的に測量を行う方式で、これまで行ってきた現場での基準局の設置を行う必要がなくなる。

 これにより高精度な位置情報補正ができるため、散布エリア設定範囲内で、より正確な散布ができ、設定範囲外への誤散布防止や農薬浪費の削減を実現する。

 また自動障害物回避機能を搭載しており、回避する方向および高さを瞬時に判断し、その状況に応じた最適な方法(垂直、水平の両移動可)で、高いレベルでの安全運用が可能となる。異なる地形や段差等に対しても、作物に合った高さで農薬散布することで散布量の調整や、飛散散布の割合減少を実現する。

葉色解析サービス「いろは」との連携

 スカイマティクスが提供する葉色解析サービス「いろは」と連携させる事が可能となった。「いろは」を連携する事で、ドローンで撮影した作物をクラウド上で処理し、最新の画像処理解析技術とAI技術により作物の健康状態を色別に判断し、作物の発育状況確認ができる。EA2020と「いろは」を組み合わせ、ネットワークRTKを利用することで完全自律飛行も実現できる。

 また自律飛行させるにあたり、スマートフォンにて経路を計画し画面タップにより開始できるため、操縦するリスクや人が移動して散布する必要がなくなり、効率よく手の中で農業を行える。

▼葉色解析サービス いろは(スカイマティクス)
https://smx-iroha.com/

葉色解析サービス いろは