2019年12月5日、日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)は、NTTドコモが米国グアム島に設置した5G技術検証環境「ドコモ5Gオープンラボ®」において、飛行艇ドローンを用いた通信エリア品質調査ソリューションの実証実験を実施(12/3~5)したことを発表した。

 移動体無線通信技術においては、国内でも第5世代(5G)のプレ商用サービスが開始され、2020年の本格的な商用サービスに向け、多様な業界・企業で新しいサービスが企画されている。さまざまなIoTサービスで5Gの活用が期待される中、都心部だけでなく「人が侵入することが困難なエリア(海上や山林など)」においても5Gサービス利用の可能性が高まっている。

 今回NSSOLは、⻑時間/広域飛行が可能な飛行艇ドローンによって、広範囲の5Gエリア品質調査を効率的に実施することができるエリア品質調査ソリューションの実証実験を実施した。このソリューションが将来的に実用化されることで、侵入困難エリアにおける5Gエリア品質の効率的な調査が実現され、あらゆる場所における5Gサービス展開の支援が可能となる。具体的には、これまで「海上の通信エリア」の品質調査は、船舶での調査が主流であったが、その代用として通信品質調査を効率的に実施できる。また、「携帯電話網経由で操作するドローン」の活用により、空中におけるセルラーネットワークが注目されつつある中、広域の空中通信エリア品質を効果的に調査することが可能となる。さらに、地方創生への活用が期待される5Gの社会実装に向けて、「5G展開を期待されているエリア(ルーラル)」 へのサービス展開に寄与できると考えているという。

 NSSOLでは、これまでの通信事業会社向けのシステム構築や、IoT技術の現場活用である「IoXソリューション」の提供、およびシステムインテグレーション力によって、顧客の現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)実現に向けて実効性あるベストソリューションを、これからも提供していく、としている。

実証実験 関連企業

・飛行艇型ドローン開発

スペースエンターテインメントラボラトリー http://www.selab.jp/

 航空宇宙技術をコアとしたテクノロジーカンパニー。固定翼ドローンやマルチコプター、高高度気球、人工衛星まで様々な飛行ロボットの開発と運用を行う。福島支社のある南相馬市(浜通り地域)を中心に飛行艇型ドローンの開発を進めており、2020年度中の製品版リリースを目指している。

【飛行艇型ドローン】
 河川や湖、海など安全な水上での発着が可能で、固定翼機ならではの高い飛行性能や、過酷な洋上使用までを想定した強靭な耐環境性能を有し、様々なドローンソリューションを実現できる。

【飛行艇型ドローン 製品版想定スペック】
 全 長 :1,960mm
 翼 幅 :3,100mm
 離陸重量:18kg
 航続時間:120min
 航続速度:72km
 動 力 :電動モータ
 発着方法:水上滑走

・エリア品質調査ツール(5G測定器)

メリテック https://meritech.co.jp/index.php

【Sigma-ML NR】
 スマートフォンに実装される5G NRネットワーク測定アプリケーション。使用にあたり大きなハードウェアやPCは必要なく、Sigma-ML NRを使用し、5G NRネットワークの問題を見つけるために、スマートフォンのみを使用した測定が可能。