ドローン物流を手がけるネクストデリバリーは、2026年5月27日から東京都江東区の東京ビッグサイトにおいて開催された「運輸安全・物流DX EXPO」において、同社の親会社であるエアロネクストとProdroneが共同で開発した物流用ドローン「PD4B-M LogiAir」を初めて一般に公開した。
物流専用ドローン開発の歩み
エアロネクストは2024年2月に同社が保有する機体構造設計技術「4D GRAVITY」を搭載した産業用ドローンの開発と機体の製造・販売に関するライセンス契約をプロドローン(現Prodrone)と締結したことを発表。同時に4D GRAVITYを採用した物流専用ドローン「PD4B-Carrier(PD4B-C)」の試作機を、愛知県日進市で開催された「次世代モビリティフェスタinにっしん」において披露した。同機は機体上部から荷物を入れて機体中央に搭載し、下部から荷物を降下することにより、機体が着地すると同時に荷物を着地させることができるドローンであった。
その後両社は同機の開発を進め、2025年9月に愛知県名古屋市で開催された第4回ドローンサミットにおいて、その成果を「PD4B-M-AN」として発表した。同機はプロドローンのPD4Bをベースに、機体下部に荷物を収納する“箱”を搭載した、最大ペイロード3kgの物流専用機。左右のスキッドの間に取り付けられた箱は、飛行中に機体が前傾しても水平を保つほか、その箱に荷物を上から入れて下から降ろすスタイルとするなど、4D GRAVITYの機能を与えたものであった。
機内格納方式を採用した「PD4B-M LogiAir」
今回の展示会で公開されたPD4B-M LogiAirは、一見するとProdroneのPD4B-Mのスタイルを踏襲したデザインだが、荷物の搭載方法は2024年2月に発表したPD4B-Cと同じく、機体内部に荷物を格納するスタイルを採用したのが、PD4B-M-ANからの大きな変化だ。フライトコントローラーをはじめ、ESCを除く主要な電子基板は機体上面をハッチにしてその上面に搭載。荷物はこのハッチを開けて機体に搭載し、配送時は機体下面から降ろすというスタイルを採用。これはエアロネクストが開発し、ACSLのAirTruckに採用されている伝統のスタイルだ。機体に搭載できる荷物は宅配便の80サイズの専用箱で、これはAirTruckと同じサイズだが、PD4B-M LogiAirでは最大離陸重量を30kgとして、最大搭載重量が7kgに拡大されている。
荷物搭載時はPD4Bの胴体内部のスペースをほぼ専用箱が占めるため、バッテリー4本はスキッドに取り付けられた4つの箱状のスペースに搭載する形に。この位置にバッテリーを搭載することで、飛行中の風などによる外乱や荷物の重量の変化の影響を受けにくく、高い飛行安定性を実現しているという。
また、胴体から四方に伸びる4つのローターアームは、根本のロックを外すことでアームを胴体に差し込むような形で収納が可能。各ローターのプロペラを折り畳むことで、720mm四方のサイズに収まるため、30kgという最大離陸重量の機体としては高い可搬性を実現している。
配送現場のノウハウを反映した物流ドローン
同機はProdroneのPD4B-Mをベースにしていることもあり、専用機に比べると比較的安価な価格を実現しているといい、機体価格は「300万円程度」(説明員)が見込まれているという。販売はProdroneの製品として展開されるこのPD-4B-M LogiAirだが、Prodroneが培ってきたハードウェアの技術に加えて、これまでネクストデリバリーが山梨県小菅村を中心に、全国の拠点で取り組んできたドローンによる荷物配送のオペレーションのノウハウが生かされているとしている。
