SkyDriveが開発する“空飛ぶクルマ”(eVTOL)のデザインを手がけるデザイナー山本卓身氏が、東京・港区のTOKYO NODE(虎ノ門ヒルズステーションタワー45階)で2026年5月17日まで開催している企画展「TOKYOROOMS展~40の部屋、40通りの生き方~」に出展し、自身のデザインコンセプトや創造プロセスを公開している。次世代モビリティとして注目されるeVTOLのデザイン思想に触れられる企画展となっている。

▼「TOKYOROOMS展」公式サイト
https://subsclife.com/tokyorooms/exhibition

クリエーターの思想を空間で体験する「TOKYOROOMS展」

 本展は、住宅・インテリア領域のベンチャー企業であるソーシャルインテリアが主催する体験型イベントで、六畳一間という限られた空間を舞台に、クリエーターや企業が独自の価値観やライフスタイルを「部屋」として表現するアート企画だ。来場者は空間そのものを通じて、各分野の第一線で活躍する表現者の思考や背景に触れることができる。

 山本氏のほか、メディアアーティストの落合陽一氏、タレントのくっきー!氏、モモコグミカンパニー氏など、多様な分野から参加者が集まり、ジャンル横断的な視点での創造性が提示されている点も特徴だ。

eVTOLデザインの裏側を可視化、創造プロセスに焦点

写真:空飛ぶクルマの模型などが展示された「部屋」の山本氏
TOKYOROOMS展で自身の「部屋」について説明を行う山本卓身氏。

 山本氏は1973年生まれ。日本とイギリスで自動車デザインを学び、プジョーやシトロエンで市販車およびコンセプトカーのデザインに携わった後、2017年にフランスで自身のデザインスタジオ「Takumi YAMAMOTO」を設立。自動車にとどまらず、生活用品など幅広いプロダクトデザインを手がけてきた。

 SkyDriveでは、2020年に発表された同社初の2人乗りeVTOL「SD-03」、さらに大阪・関西万博でのデモ飛行で注目された3人乗り機「SD-05」のデザインに参画しており、日本発eVTOLのデザイン開発を担うキーパーソンの一人である。

 今回の展示では“デザインが生まれる部屋”をテーマに、幼少期に影響を受けたランボルギーニの「イオタ」やアニメ「ガンダム」といった原体験を起点に、自動車から水素推進船、靴、そしてeVTOLへと至るデザインの変遷を、手書きスケッチや模型によって表現。完成形だけでなく、その背後にある思考や試行錯誤のプロセスを追体験できる。

写真:「部屋」の壁面に配置された「SD-03」のアイデアスケッチ
SkyDriveの“空飛ぶクルマ”「SD-03」のアイデアスケッチ。

 eVTOLは、安全性や空力性能、構造要件など多くの制約条件が課される領域であり、デザインの自由度は自動車と比べても限定される。その中で山本氏は「デザインはやはり“かっこいい”ことが重要」とし、「厳しい条件の中でも、その隙間を見つけて多くの人に魅力的だと思われるプロダクトを実現していきたい」と語る。こうした発言からは、機能と意匠を両立させる工業デザインの本質的なアプローチが見て取れる。

写真:「部屋」の壁面に配置された言葉やスケッチ(ガンダム!かっこいい。/イヲタ!かっこいい。/デヴィッドボウイかっこいい。/かっこいいもの自分も作りたい!)
山本氏の「部屋」の入り口部分。“かっこいい”の言葉が並ぶ。

 なお、同展は原則オンラインによる前売り制で、大人1,900円、小人950円(5月5日のこどもの日のみ小人無料)。次世代モビリティのデザインに関心を持つビジネスパーソンにとっても、開発思想やプロダクト価値を理解する機会となりそうだ。