9月24日から25日の期間、「第4回ドローンサミット」が愛知県名古屋市港区の「ポートメッセなごや」で開催された。会場内でもひときわ広いブースを構えていたのが、三重県発のモビリティナビとセントラル警備保障の共同展示だ。


 モビリティナビはカーディーラーの三重トヨタ自動車を傘下に持つMTホールディングスが設立した企業で、三重県内でドローンスクール事業や点検業務を展開している。そのほか、自動車関連企業としての強みを生かし、ワンボックスカーを改造することでドローン運用の拠点となる「Drone Base Car」を製造している。

写真:展示会場のDrone Base Car
トヨタのハイエースを改造したDrone Base Car。

トヨタ・ハイエースを改装 ドローン運用の“移動司令車”

 ブースで注目を集めていたのは、モビリティナビがセントラル警備保障(CSP)に納車したDrone Base Carの展示だ。2025年8月に納車されたばかりで、今回が初公開となった。


 ベース車両はトヨタのハイエース。雑踏警備や災害現場などで、ドローン運用の拠点として機能する移動基地だ。車内外には運用に必要な各種設備が整備されている。

 後部扉を開けると、まず目に入るのが3枚の液晶モニター。ラックに固定され、飛行中の機体から送られる映像をリアルタイムで確認できる。フロアには大型ポータブル電源を搭載し、CSPが展開する有線給電ドローンの電源としても使用可能だ。車両の天井には給電ケーブルを通す貫通口が設けられ、ドローンへの電力供給を効率化している。

写真:ケースに入った状態の「CSP-D_Light530」
サッカーコート1面以上を照らすことが可能なポータブル係留型照明ドローン「CSP-D_Light530」。
写真:「CSP_EVOテザー」(側面)
Autel製ドローンをチューンナップした「CSP_EVOテザー」。有線給電飛行にも対応している。写真の機体はバッテリーではなく有線給電用のパワーモジュールを取り付けている。
写真:Drone Base Car内部の様子
後部座席にはモニター3面を設置。また、モニター1面はアームによって車外に出せる。

 さらに、車両内のインバーターで最大15Aを出力できるため、車両側とポータブル電源の2系統で電力を確保。オルタネーターチャージャーも搭載しており、エンジン稼働中はポータブル電源を同時充電できるほか、エンジン停止時でもポータブル電源から車両バッテリーへ給電可能だ。まさに“自前で完結する電源システム”を備えた車両となっている。

写真:Drone Base Carの左側面。モニターのひとつを車外に出した様子
左後部には100Vまで対応する給電用のAC電源口を備える。

現場を支える設計 安全・快適な運用を実現

 リアハッチを開けると現れるのはパワーゲート。重い機材を車内に積み込む際に使用し、作業者の負担を軽減するほか、災害時には担架や車椅子の搬入にも活用できる。

写真:車両後方から見た車内の様子
パワーゲートのほか、車内空調用のエアコンが車両内蔵のものと別系統で設置されている。


 また、リアガラス内や右側面上部にはデジタルサイネージを搭載。点検・災害現場などで周囲に注意喚起を行うことができる。この日は「ドローンサミットPR」の文字が掲出されていた。なお、安全性に配慮し、サイドブレーキを引いていないと表示されない仕様となっている。

写真:デジタルサイネージを点灯する様子
リアガラス内と右側面にサイネージを装備する。

 車両のルーフにはドローンの離着陸台が設けられ、スターリンクアンテナの搭載にも対応。災害時には通信拠点として機能する想定だ。まさに「走るドローン基地」と呼ぶにふさわしい構成である。

写真:車両のルーフに設置されたドローン
ルーフにはドローンの離着陸地点を設置。

レンタル・リースにも対応 災害・イベント用途へ展開

「Drone Base Car」は、大型イベント運営者や警察・警備関係者の臨時利用を想定し、レンタカーとして登録された。顧客の要望に応じて機能をカスタマイズできるほか、CSPで培った警備・防災ノウハウを活かし、企画・製造・リースにも対応している。

 モビリティナビは、自動車とドローンの技術を融合させた新しいモビリティ活用を提案する企業として、地方発のドローン社会インフラ構築を進めている。

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