遠隔医療やドローンを組み合わせた医療システムの構築を目指すスタートアップのM-aidと、国産ドローンメーカーのロボティクスジャパンは、2025年9月24日~25日に愛知県名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された「第4回ドローンサミット」に共同出展し、ドローンポート機能を備えた医療サービス車両「MedaaS」を披露した。
オンライン診療とドローン物流を融合、地域医療・災害支援モデルを提案
MedaaSは、医療サービスが十分に行き届かない過疎地や離島などでの活用を想定した次世代型医療サービス車両だ。オンライン診療、オンライン服薬指導、電子処方箋の実用化、さらにマイナンバーカードによるオンライン資格確認の導入といった医療DXの進展を背景に開発された。
車両はトヨタのハイエースをベースに改造したもので、オンライン診療システムのほか、小型心電計や簡易採血装置などを搭載。また、荷台及びルーフ部分にはドローンの発着が可能なプラットフォームを備えており、手元のスイッチで荷台の上昇とルーフの開閉が行われ、すぐさまドローンが飛行可能な状態に可動する。
活用想定はMedaaSが患者のもとへ移動し、患者は車内でオンライン診療を受ける。医師は診断結果に応じて処方箋を近隣の薬局へ送信し、薬局側で薬をドローンに積載。ドローンがMedaaSまで飛行して薬を届ける仕組みだ。逆に、MedaaSから患者の血液などの検体をドローンで医療機関に送ることも可能で、遠隔地でも検査・診断を迅速に行える。それに加え、災害時には病院や福祉施設への医薬品・医療物資の配送にも活用できるとしている。
MedaaSに搭載されるドローンはロボティクスジャパンが製作。同社の点検用ドローン「INSPECTER」と農薬散布用ドローン「DMTER」をベースに改良し、機体下部に医薬品搬送用の専用コンテナを搭載した。
M-aidはすでにオンライン診療などの実証実験を進めており、ドローンによる薬の配送実験についても、薬局側の準備を整えたうえで2025年内から2026年にかけて実施する予定としている。
実証はまず目視内飛行から開始し、将来的には市街地上空の運用も想定している。ロボティクスジャパンの担当者は、「最終的にはレベル4での飛行を実現し、第一種型式認証の取得を目指します」と語った。
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