2025年9月24日・25日、愛知県名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された「第4回ドローンサミット」において、イームズロボティクスは災害対応ドローン「Rescue-K」を展示した。併せて、物流用ドローン「E600-100」や開発中のスマート物流設備(ドローンステーション)も展示し、災害支援から物流まで幅広いソリューションを提示した。

能登地震の経験を活かし、通信・物資支援の現場力を強化

 「Rescue-K」は、イームズロボティクスと湘南工科大学が共同開発した災害対応専用機。第二種型式認証を取得済みの物流ドローン「E6150TC」をベースに開発され、機体重量は約22kg。下部に物資投下システムを備えた専用ユニットを搭載し、上部にはスピーカーを装備して被災者や遭難者への音声呼びかけを可能とする。さらに、衛星携帯電話を投下できるカプセルも搭載し、通信途絶地域での連絡支援を想定している。

写真:展示された災害対応ドローン「Rescue-K」
イームズロボティクスが湘南工科大学と共同開発する災害対応ドローン「Rescue-K」。
写真:ドローンのスキッド部分
「Rescue-K」の下部にはスピーカーなどの機器を装着できる。

 同社は能登半島地震での支援活動を通じて、災害時の通信手段確保の重要性を再認識。その経験を反映してRescue-Kを設計したという。災害対応専用モデルのため、第二種型式認証の取得は予定していない。

レベル4飛行を視野に、オカムラとスマート物流設備の共同開発を推進

写真:展示された物流用ドローン「E600-100」
第一種型式認証の取得を目指す物流用ドローン「E600-100」。

 会場では物流向けの新型機「E600-100」も展示された。E600-100は6枚のプロペラを備えたヘキサコプター型ドローンで、全長・全幅とも約2m、機体重量19.9kg。最大5kgの荷物を積載し、約20分間の飛行が可能だ。都市部でのレベル4飛行を見据え、第一種型式認証を申請中で、今年度内の取得を目指している。

 また、開発中のスマート物流設備「ドローンステーション」の概要が発表された。物流拠点からステーションまでドローンで荷物を空輸し、屋上に着陸後、荷物を建物内部まで自動搬送する仕組みを備える。利用者は暗証番号を入力することで下部の開口部から荷物を受け取ることができる。オフィス家具メーカーのオカムラと共同開発が進められており、今後の実証実験を経て実用化が期待される。

ドローンステーションの外観(展示パネル)
オフィス家具メーカーのオカムラと共同で開発中のドローンステーション。

 イームズロボティクスは、福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」を実験拠点としており、ドローン物流の実証実験を継続的に実施している。今回紹介されたドローンステーションも、今後同フィールドでの実験に投入される予定だ。

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