2025年6月27日、エアロネクストとNewcom Groupは、Newcom Group子会社のMongolian Smart Drone Delivery(以下、MSDD)、モンゴル郵便と共同で、2025年6月16日から18日の3日間、ウランバートル市内でドローン配送試験運航を実施し、成功したことを発表した。
4.5~4.8kgの郵便物を、モンゴル郵便のウランバートル市内の支店まで片道3.58kmを約7分で配送した。日本のレベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)に相当する、第三者上空における自動航行で行った。
エアロネクストとNewcom Groupは、2023年11月にモンゴルでのドローン物流サービスの事業化に向けた連携について基本合意し、ドローンによる医療定期配送網構築に取り組んできた。MSDDの運航チームは、NEXT DELIVERY(エアロネクスト子会社)の運航チームの指導のもと、日本とモンゴル現地において訓練を行い、共同でモンゴルにおける運航体制を構築してきた。
MSDDは、2024年6月にモンゴル国民間航空庁(MCAA)からドローンの商用飛行ライセンスを取得し、8月よりウランバートル市内の国立輸血センターから3つの病院(日本モンゴル病院、アムガラン病院、国立母子保健センター)への血液のドローン配送の実運用を開始した。2024年にはモンゴル国内の医療機関向けに血液および血液製剤の配送を50回以上、2025年5月からは定常的に運航し、すでに計90回実施している。
【試験飛行の概要】
期間 | 2025年6月16日~18日(6月16日にルート開通作業を実施) |
配送内容 | 期間中、毎日ウランバートル市内のモンゴル郵便の支店まで(片道3.58km)4.5~4.8kgの郵便物を約7分で配送。その後、車に載せ替えて配達場所まで配送。 |
使用機体 | ACSL製の物流を中心としたマルチユースドローン「PF4」。最大5kgの荷物を最大約35km先まで輸送可能。 |
各社代表コメント
エアロネクスト代表取締役CEO 田路圭輔氏
Newcom Groupとタッグを組んで取り組んでいるドローン物流サービスの実用化にさらに新たな成果が積み上がりました。血液配送の時もそうでしたが、今回もまた本当に素晴らしいご縁がつながり実現できました。モンゴルでの展開は未来と希望に溢れており、これからの展開が本当に楽しみです。
Mongolian Smart Drone Delivery CEO Otgonpurev Mendsaikhan氏
ドローンは単なる輸送手段ではなく、未来の郵便インフラの一部となるべきものです。ニューコム・グループは、この先進技術をモンゴルに導入するために、国家郵便事業者であるモンゴル郵便と協力しています。
モンゴル郵便 CEO Telmen Gerelt氏
今回のドローン配送試験の成功により、テクノロジーを基盤とした新しい時代の郵便サービスをモンゴルに導入する第一歩を踏み出しました。モンゴル郵便は、単なる郵便物の運び手ではなく、“アクセス性・革新性・信頼性”を融合した国家規模の物流ネットワークを目指しています。