7A Drones(台湾)は、2024年6月5日から7日の間に幕張メッセで開催された「第9回 Japan Drone 2024」に出展した。最大ペイロード80kgを誇る重量物運搬用のドローン「NEO」が注目を集めた。

写真:展示された「NEO」
NEO:機体重量45.5 kg、最大ペイロード 80kg、航続距離 10,000m、最大飛行時間 50分(貨物なし)/30分(貨物付き)

 2016年創業の7A dronesは、台湾の研究開発機関であるITRI(台湾工業技術研究院)をはじめ、農業、林業、漁業、電力、警察、消防など、台湾のドローン運用パートナーとの協力を通じて、各業界への深い理解からドローンソリューションを展開してきた。NEOをはじめとする同社の機体は、飛行モジュールとペイロードモジュールを別々にしている。飛行モジュールは6基のモーターとプロペラで強風下でも安定した飛行を実現し、ペイロードモジュールはバッテリーの数をペイロード重量と運搬距離に応じて柔軟に変更できる構造になっている。

 7A dronesは台湾郵政省との実装実験にNEOを投入し、5kmの距離のバッテリー交換なしペイロード40kgでの飛行を達成。さらに、途中でバッテリー交換しながら20km先までの物資輸送も実現した。

 7A dronesのセールスマネージャー 岩崎一郎氏は「時には70kgの荷物を運びたいというニーズがあります。最大ペイロード30~40kgほどの機体を使い、2回に分けて運ぶ方法もありますが、工事現場や被災地などで必要となる発電機など、分割して運べないようなものもあります。重い荷物を運ぶ工事や土木、林業の関係者がNEOに強い関心を示しています」と説明した。

 NEOが活躍するのは山間部など、人がいない場所が中心となっている。機体はカーボンファイバーとアルミ鋼管を採用した堅牢な構造ながら、シンプルな部品で構成されているため、さまざまな用途に対応したカスタマイズが可能だ。

 岩崎氏は「プロペラの数を調整するなどの構造変更も容易で、安全に運用できます。最近では、中国製ドローンの利用を控える企業が増えていることもあり、台湾製でペイロード80kgという特長から、今回の出展で多くの引き合いをいただいております」と反響を語った。

 大型ドローンにフォーカスする7A dronesでは、50Lのタンクを搭載可能な薬剤散布用のドローンも提供している。同社の戦略について担当者は「台湾政府は、大国と競争するにはテクノロジーが重要と意識しています。そこで私たちも研究開発・設計・製造に力を入れ、農業用ドローンや、災害復興、現場の効率化に対するソリューションを提供しています」と説明した。

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