模型用エンジンのトップシェアを誇る小川精機は、固定翼機や回転翼機のUAVエンジンやブラシレスモーター等さまざまな製品を取り扱う「O.S.PROFESSIONAL」ブランドとして出展。レンジエクステンダーの第2弾となる「GT60REU」(開発中)や固定翼機用エンジンなどを展示し注目を集めた。

「レンジエクステンダー」で長時間飛行が可能に 生産性を大幅に向上させる

ドローン用エンジンを多数展示した小川精機のブース。

 バッテリーとモーターで飛行するドローンは、航続時間が短いのが課題だ。広域エリアの撮影や精密な測量等を行う場合は、あらかじめ充電したバッテリーをいくつも用意し、バッテリーが切れるたびに作業を中断し、交換しなければならない。そんな課題を解決するのがエンジンで発電しながらバッテリーに充電する“ハイブリッドドローン”で、さまざまなメーカーで開発が進められている。小川精機では、そうしたハイブリッドドローン用のレンジエクステンダーを開発・製品化を進めている。

レンジエクステンダーGT33REU(定格1kW、33cc)。セルスターター(発電機一体型)を標準装備。エンジンとスターター&発電機を一体化設計することにより軽労化を実現した(発電機本体は2200g)。
開発中のプロトタイプが展示された60cc レンジエクステンダーGT60REU。2kWの発電能力を持ち、大型ドローンにも対応する。O.S.PROFESSIONALオリジナルGT60REU搭載テスト用ハイブリッドドローンとあわせて展示されていた。

 レンジエクステンダーは、混合ガソリンを動力源としたエンジンによって発電を行うもので、エンジンとスターター、発電機を一体にしながらもコンパクトな設計としている。同ブースに展示されていたのは、すでに製品化された1kW発電能力のある「GT33REU」と開発中の2kW発電能力のある「GT60REU」だ。GT33REUは、2020年10月に行われた実証実験で連続11時間の飛行を達成し話題を呼んだ。製品化され、アミューズワンセルフのハイブリッドドローン「GLOW.H」に採用されるなど、ドローンメーカーから注目されている。GT60REUは同社のレンジエクステンダーの第2弾となるもので、ドローン搭載機材にさらなる余裕と多様性をもたらすという。発売は2022年3月を予定しているとのことだ。
 ドローンの滞空時間が延びるということは、広域なエリアの撮影や測量、運搬作業などの生産性が大幅に向上することにつながり、ドローンのさらなる用途拡大、導入拡大につながる起爆剤となるだろう。

固定翼機用4サイクルエンジン「GF40U2-FI」(開発中)。先行して販売されている電子制御燃料噴射装置付き4ストローク単気筒40ccエンジンの「GF40U-FI」をベースに、スタータージェネレーターシステムを新たに搭載した。
産業用の4ストローク2気筒80cc「GF80TU-FI」(開発中)。固定翼UAV専用で低振動、低燃費、フュエルインジェクション仕様、高高度(3000m前後)対応。4ストロークエンジンの低燃費と2ストロークエンジン並みの高出力を両立している。現在はテストフライト中とのこと。
ラジコン模型飛行機用エンジンとして実績のあるO.S. GF40をベースに、固定翼機での使用を想定し、新開発の燃料噴射システムと、100Wの発電機を搭載した「GF40U-FI」。
120cc水平対向2気筒エンジン「GT120THU-FI」。200W型の発電機とスターターを搭載した回転翼用UAVエンジン。低振動の水平対向エンジン採用により、UAV本体だけでなく搭載する機器に対し振動面で有利となっている。

 その他、固定翼機用UAVエンジン、回転翼機用UAVエンジンが多数展示されていた。
 1936年の創業以来、世界トップシェアを誇る模型エンジンメーカーのノウハウをもとに信頼のジャパンブランド「O.S.PROFESSIONAL」として、今後も最新テクノロジーと職人技を融合し、革新的な製品を届けていくとしている。