100g以上の無人航空機を屋外で飛行させる際、人口が多いと判断される場所(人口集中地区)での飛行や人・物件との距離が近い飛行などは国土交通大臣の許可・承認が無ければ実施してはいけない。
このように100g以上の無人航空機を飛行させる際に、許可・承認が必要な飛行を特定飛行と呼ぶ。
ドローン(無人航空機)における特定飛行
特定飛行は「飛行する空域」「飛行方法」の2つに分かれており、それぞれの中で詳細に許可・承認が必要な飛行が決められている。
特定飛行に該当する飛行空域として「許可」が必要な場所は以下の4つ。
・ 空港等の周辺
・ 地上または水面から150m以上の上空
・ 人口集中地区の上空
・ 緊急用務空域
同じく、特定飛行に該当する「承認」が必要な飛行方法は以下の6つが存在する。
・ 夜間での飛行
・ 目視外での飛行
・ 人又は物件と(30m以上の)距離を確保できない飛行
・ 催し場所(イベント)上空での飛行
・ 危険物の輸送
・ 物件の投下
これらの許可・承認が必要な飛行を実施する際は、DIPS2.0から飛行許可・承認申請書を提出し、許可証が発行されなければ実施してはならない。飛行許可・承認申請は民間技能証明や無人航空機操縦士など、資格を保有していなくてもできる。なお、飛行経路や飛行日時を特定する必要がない飛行においては、特定飛行であっても包括申請と呼ばれる飛行許可・承認で実施可能だ。
特定飛行に該当しない飛行
特定飛行は100g以上の無人航空機を屋外で飛行させる際に許可・承認が必要な飛行である。
そのため、先述した10個の飛行場所・方法に該当しない飛行や屋内での飛行、100g未満の模型航空機による飛行などは特定飛行に該当しない。
特定飛行に該当しない飛行としては、以下のようなものがある。
・ 人口集中地区ではない場所での屋外飛行
・ トンネル内部、地下道内部、煙突内部、窓・扉の開いた建物など、開口部はあるが、内部と外部が明確に区別された空間での飛行
・ 無人航空機のスケールより目の細かいネット、金網等で囲われ、無人航空機が飛行範囲を逸脱することがないように措置された空間
・ 観客などがいない、全員が無人航空機の上空飛行を了承しているような集まりでの飛行
・ 無人航空機が十分な強度を有する紐等(長さ30m以内)で地表又は固定物に係留された状態で実施する飛行
・ 水や農薬などを散布するのではなく、無人航空機が輸送した物件を地表に置くような飛行
・ 国又は地方公共団体等による捜索、救助等のための飛行
特定飛行を実施する際の義務
特定飛行を実施する場合、操縦者は必ず飛行許可・承認申請を行わなければいけない。ただし、すでに期限内の包括申請を保有している場合を除く。
このほか、特定飛行時は「飛行計画の通報」「飛行日誌の作成」を義務として行わなければならない。
特定飛行時に飛行計画の通報をしなかった場合は30万円以下の罰金が科される。
同様に、特定飛行時に飛行日誌を携帯・作成を行わない、虚偽の内容を記載したなどの場合は10万円以下の罰金が科される。なお、飛行日誌の携帯は必ずしも紙媒体である必要はない。