DJI JAPANは10月31日、東京都内でコンシューマー向けドローン「Mavic Mini」を日本市場向けに発表した。Mavic Miniは文字通りMavic 2シリーズに似たデザインをまとい、折りたたむと手のひらにも乗るようなコンパクトさが魅力のドローンだ。とくに注目すべきはその重量で、バッテリーを含む離陸重量は199gと、日本の航空法が定める200g以上の無人航空機ではなく模型航空機にあたる。ドローンの飛行を規制したいわゆる改正航空法の無人航空機に関する規制は受けない。そのため、これまでのDJI製ドローンのユーザーとはまた異なる、新しいユーザーへの普及が期待されている。
日本市場向けの50g軽いバッテリーで199gを実現
Mavic Miniは軽量・コンパクトが至上のドローン。ローターピッチは213mmと、同170mmのMavic Airより大きいものの、折りたたみ時のサイズは140×82×57mmと手のひらに乗るサイズで、これまでDJIのドローンで最小とされていたSPARKよりも小さい。さらにコンパクトさを際立たせているのがその重量だ。
日本に先駆けて発表されたグローバルモデルは249gで、Mavic Airの430g、SPARKの300gより格段に軽い質量を実現。そして今作ではなんと重量199gという日本限定モデルが用意された。この数字は日本の航空法で無人航空機として定義される200gに満たないため、空港周辺や一定の高度以上のエリア以外では無人航空機の飛行に関するルールは適用されない。「携帯性だけでなく多くの方に使ってもらいたい。飛行可能な条件が大きく広がった。空撮を始めたい、やってみたい方に自信を持っておすすめできる」(DJI JAPAN説明員)という。
この日本特別モデルの199gという重量を実現したのはバッテリーだ。重量249gのグローバルモデルは2400mAh、重量100gのバッテリーを使うのに対して、日本仕様は容量を1100mAhに抑えたことで重量を50gに軽量化。このバッテリーの違いで“200g未満”という機体重量を実現した。なお、バッテリー容量を少なくしたことで、飛行時間はグローバルモデルの30分に対して日本仕様は18分となっている。
機体はMavic 2シリーズをそのまま小さくしたようなデザインで、4本のローターアームの格納方法も同様のスタイルとなっている。バッテリーはMavic 2シリーズと異なり、機体の尾部のハッチを開けて円筒形のバッテリーを装着する形だ。カメラは3軸ジンバルを介して、Mavic AirやMavic 2 Zoomと同じ1200万画素の1/2.3インチセンサーを搭載。最大で2.7K/30fpsの動画と、1200万画素の写真を撮影できる。
操縦は拡張Wi-Fiで接続した専用のコントローラーで行う。このコントローラーはMavic Airのものに近いデザインとなっており、グリップ部を左右に開いて、「DJI Fly」をインストールしたスマートフォンといったモバイルデバイスを挟んで使用スタイルも同じだ。モバイルデバイスで使用するアプリは新たに「DJI Fly」を用意。このアプリでは初心者向けにドローンの飛行が学べる「フライトチュートリアル」が入っているほか、「ロケット」「サークル」「ドローニー」「ヘリックス」という4つの飛行機能が利用でき、誰でも簡単に高度な撮影飛行を楽しむことができる。
・ロケット:カメラを真下に向けて被写体を捉えながら制限高度まで上昇する
・サークル:被写体と一定の距離を保ちながら、一定の高さで周回する
・ドローニー:被写体を捉えながら斜め後ろに制限高度まで上昇する
・ヘリックス:被写体を中心に渦巻状に周回しながら制限高度まで上昇する
Mavic Miniでは純正アクセサリーもこれまでとは趣の違ったアイテムが用意されている。Mavic Miniを充電しながらディスプレイできる「充電ベース」や、飛行の安全性を高める「360°プロペラガード」、「プロペラホルダー」「ミニトラベルバッグ」といった飛行や持ち運びに便利なグッズに加えて、機体上面と同じ形の専用ステッカーに図柄を描いて機体に貼って、自分だけのMavic Miniを作ることができる「DIYクリエイティブキット」や、メッセージを書いたミニLEDディスプレイを取り付けられる「スナップアダプター」といった、遊び心あふれるアイテムがラインナップされている。
Mavic Miniの価格はスタンダード版が46,200円(税込)、360°プロペラガードと予備バッテリーがセットになったフライモアコンボが59,400円(税込)。DJI JapanではMavic Miniを“フライカム”と呼び、「今まで空撮に興味があっても規則や申請といったことに抵抗感がある方が多かった。そういう方に向けて日本で手軽に空撮ができるように199gという航空法の適用を受けないモデルとしてリリースした」(DJI Japan説明員)といい、同時に「今までも安全や規則に関しては積極的にセミナーや講習会を開くなどしてきたが、Mavic Miniの発売とともに今後さらに注力していきたい」(DJI Japan説明員)としている。