同じ8Kでも思想は別物、Avata 360とAntigravity A1を比較
おそらくAvata 360は多くのユーザーから数か月前にリリースされたAntigravity A1と比較されているに違いない。スペック上の最大解像度は同じ8Kとなっているものの、センサーサイズはAntigravity A1が「Insta360 X5」と同じ1/1.28インチなのに対して、Avata 360は「Osmo 360」と同じ1インチ相当と面積比で1.6倍ほど大きい。撮影できる映像のスペックやその使い勝手を見ると、Avata 360の方がより撮影を意識したつくりとなっているような印象だ。
事実、Antigravity A1にはVRゴーグル上の映像で、飛行機のコックピットや空飛ぶドラゴン、サンタクロースのトナカイといった映像を重ねて、まるでそれに乗って飛んでいるかのような映像を楽しめる「バーチャルコックピット」機能があるほか、ゴーグルの映像上のポインターを動かすだけでその方向に飛んでいく「フリーモーションモード」を初めて搭載するなど、ドローンのビギナーでも“飛行体験”を楽しめることに重きを置いている。
一方、Avata 360は簡単Acroのような飛行モードはあるものの、どちらかというとそれは“おまけ”に近いような印象で、あくまでも映像を撮ることに重きを置いているような印象を受ける。RC Motion 3コントローラーは、トリガーを引きながら上下左右に倒すとその方向に進むことに加えて、トリガーを押すとバックする。さらに十時方向に動くスティックで真上・真下、真横に移動できるという、まさにマルチコプターとしての飛行ができるようにもなっているなど、撮影で求められる細かい動きをグリップスタイルのコントローラーで実現。同時にさらに精緻な動きを求めるなら一般的なスティック式のコントローラーであるDJI RC 2との組み合わせも選べるようになっている(Antigravity A1もスティック式コントローラーのリリースをアナウンスしている)。
Avata 360の価格は、機体単体の7万7330円から、DJI RC 2とのセットで11万6380円、DJI Goggles N3とRC Motion 3、バッテリー3本などがセットになった「DJI Avata 360 Motion Fly Moreコンボ」で16万2140円など、4つのセットが選べるようになっている。日本のDJI公式オンラインストアでは、意外にもスティック式コントローラーのDJI RC 2とバッテリー3本がセットになった「DJI Avata 360 Fly Moreコンボ(DJI RC 2付属)」(15万9830円)が“ベストセラー”と表示されている。
Avata 360はホビーユーザーだけでなく、発売以降、屋内狭隘部の点検といった産業用途のユーザーからも大きな関心を集めており、こうしたユーザーによる大量導入の影響も考えられる。いずれにしてもAvata 360は、FPVドローンというワードから連想される、アクションフライトのためのドローンというよりも、DJIならではの幅広いユーザーを対象にした“360°全周を撮影できるFPVドローン”だといえる。
