2026年9月24日、中国電力、中電工業、KDDIスマートドローンは、中国電力玉島発電所(岡山県倉敷市)において、自律飛行型ドローンを活用した燃料油タンクの巡視点検の実証を開始した。実証期間は2026年度末まで。

 実証では、事前に設定した巡視点検ルートを自律飛行するドローンで燃料油タンク(直径40.6~46.4m、高さ16.5~25.0m)6基の外観を自動撮影し、その映像を運転員が確認する。これにより運転員が実施してきた巡視点検を代替し、保安力の向上、巡視点検の効率化、高所作業のリスク低減を図る。

写真:Skydio X10、ドローンポート、燃料油タンク
左:ドローン「Skydio X10」、中央:ドローンポート、右:燃料油タンク

 火力発電所では日常的な巡視点検に伴う時間と人手が必要である一方、人材確保や設備の高経年化が課題となっている。DX推進の一環として、ドローンなどを活用した巡視点検のスマート化による保安力向上および業務効率化が期待されている。

実証概要

 遠隔からの飛行指示でドローンポートからドローンが離陸し、事前に設定した巡視ルートに沿って自律飛行・自動撮影を行う。運転員は遠隔で飛行状況を監視し、ドローンが撮影した映像から燃料油タンク本体や配管等の変形、腐食、漏油などの有無を確認する。

 設備状態の変化や異常兆候を把握しやすくなることで、点検精度の向上、点検時間の短縮を目指す。また、運転員の屋根への昇降や高所での点検作業が削減されるため、転倒や熱中症などの安全上のリスクを低減する。

【検証項目】

  • ドローン取得データの点検適合性
    取得した映像や画像を活用した設備状態の健全性判断。
  • 通信回線の安定性
    光回線の敷設が難しい立地での、自律飛行および映像伝送に必要な通信速度の確保。
  • 自律飛行の再現性
    自律飛行による同一地点・同一画角での定点撮影精度の確保。

【各社役割】

中国電力発電所の運用・保守に関する知見をもとに、ドローンによる巡視点検内容や検証項目の設定、自律飛行に係る遠隔指示、ドローン映像から設備の健全性判断
中電工業塗装工事の材料輸送に係る豊富なドローン飛行実績をもとに、中国電力の運転員による自立運用に向けた初期段階でのドローンの遠隔指示の代行、ドローン操作指導および運用支援、自律飛行に係るルート設定
KDDIスマートドローン各地のインフラ設備で積み重ねてきたドローンポートおよび自律飛行型ドローンの運用知見をもとに、機体および機器の提供、通信回線の整備

 3社は2027年度における玉島発電所での本格運用開始を目指すとともに、中国電力の他の火力発電所への展開についても検討する。

 中電工業およびKDDIスマートドローンは、石油備蓄基地や変電所などのインフラ設備への同点検手法の導入を推進するとしている。