2026年8月25日、エアロネクストとヤマタネは、AIと遠隔運航技術を活用した次世代農業オペレーションの社会実装を目的とする業務提携契約を締結した。

 エアロネクストのドローン運航技術および同時遠隔自動操縦オペレーション技術と、ヤマタネの農業分野における知見、事業基盤およびネットワークを融合し、農業現場における人手不足や高齢化、作業負担の軽減を目指す。

 両社は「現地作業」と「操縦・運航」を分離し、遠隔地から複数のドローンを効率的に管理・運航する新たな農業オペレーションモデルを共同で構築する。将来的にはAIを活用した飛行・運航の高度化や、生育状況の把握、圃場管理などの営農支援へ展開を図る。

ヤマタネ、エアロネクストのロゴ

 日本の農業分野では担い手不足や高齢化が急速に進行する中、農薬散布などの重労働や夏季高温環境下の作業負担が離農や後継者不足を加速させる要因の一つとなっている。農業ドローンの普及が進む一方、機体の導入コストや操縦者の確保、飛行計画の作成、運航管理、各種手続きなど、運用負担が課題となっていた。

 エアロネクストは新スマート物流SkyHubの社会実装を通じて、ドローンの運航、遠隔監視・制御、飛行計画の作成、運航管理などに関する技術とノウハウを蓄積してきた。現在は1人のオペレーターが複数のドローンを管理・運航する同時遠隔自動操縦オペレーション技術の高度化を進めている。

 ヤマタネは、2024年4月にエアロネクストへ出資を行い、同社のドローン運航ノウハウや同時複数機運航の仕組みが農業現場にも展開できる可能性を評価し、2026年5月に追加出資を実施している。

 今回の提携により、両社は農業現場の省人化と生産性向上を実現する新たな農業オペレーションモデルの構築を目指す。

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主な取り組み内容

  • 次世代農業オペレーションモデルの共同構築
     両社は、「現地作業」と「操縦・運航」を分離した、新たな農業ドローンオペレーションモデルを共同で構築する。農業現場ではバッテリー交換や機体点検など現地作業のみを行い、飛行計画の作成や操縦、遠隔監視、運航管理などは遠隔地のオペレーションセンターから実施する。これにより操縦者確保の負担を軽減するとともに、運航業務の集約・標準化を通じて安全性とサービス品質の向上を図る。
  • 同時遠隔自動操縦オペレーションによる省人化
     エアロネクストが開発を進める同時遠隔自動操縦オペレーション技術を活用し、1人のオペレーターが複数のドローンを同時に管理・運航する1対多運航モデルの実現を目指す。これにより操縦・運航に必要な人員を削減し、運営コストの低減を図ることで、利用しやすい価格と安定したサービスを提供できる事業モデルを構築する。
  • 農業現場における実証と社会実装
     今後、ヤマタネの取引先などの農業現場において「ドローン×AI×遠隔運航」を組み合わせた農業オペレーションの有効性の検証を行う。現地作業と遠隔運航の役割分担、運航体制、安全性、作業効率、コストなどを検証した後、全国の農業サービス事業者、農業法人、作業受託事業者などへの展開を目指す。
  • AIを活用した農業オペレーションの高度化
     農薬散布だけでなく、生育状況の把握や圃場管理など、AIを活用した営農支援サービスへの展開を検討する。また、蓄積したデータを活用し、飛行・運航の効率化や農作業の最適化につながる機能の開発を進める。あわせて、散布、センシング、圃場管理など、複数の農作業に活用できる機体およびサービスの共同開発・運用についても検討する。
ドローンを遠隔操作して農薬散布するイラスト
農業オペレーションのイメージ

 両社は、遠隔地のオペレーションセンターに操縦・運航機能を集約し、複数地域・複数機体を効率的に運航することで、農業現場の人手不足を補い、生産性向上と持続可能な営農を支える新たな社会インフラの構築に取り組む。将来的には、同一の機体、拠点、通信および運航管理基盤を、農業だけでなく地域物流や災害時の情報収集・物資輸送などにも活用することで、地域を平時から有事まで支える「空のインフラ」への発展を目指す方針だ。