2026年5月19日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、オランダの連結子会社を通じて出資しているウクライナのディフェンステック企業WinnyLab(以下、ウィニーラボ社)と共同展開する固定翼型迎撃ドローン「Terra A2」について、ウクライナの実戦環境下で運用を開始したと発表した。

 実戦環境下での継続運用を通じて性能を証明するコンバットプルーブン化を進め、広域防空向け固定翼迎撃ドローンの実用性検証、現場運用データ取得、および将来的なグローバル防衛市場展開を見据えた足がかりとする。また、ロケット型迎撃ドローン「Terra A1」と組み合わせることで、多層型防衛の構築を推進するとしている。

写真:カタパルトから射出されるドローン

 近年、中東やウクライナを中心に、シャヘドなどの低コスト長距離無人機による大量攻撃が、重要インフラや都市部への深刻な脅威となっている。この攻撃に対し、従来の高額な迎撃ミサイルで対応し続けることは、防衛コストや持続性の観点から課題となっている。

 そのため、「低コストな脅威には、持続可能な手段で到達する前に対処する」新たな防空インフラ構築が世界的に求められている。迎撃ドローン市場が急速に拡大する一方、実戦環境下で継続運用され、改善サイクルまで含めて機能している企業は極めて限られる。国際市場では、コンバットプルーブンであることが装備採用の重要な要素となっており、Terra A2の実運用はその基準を満たすための取り組みである。

 Terra A2は、広域監視、長距離飛行、長時間滞空を前提に設計された固定翼型迎撃ドローンで、最大312km/hの高速飛行、75kmの広域カバー、40分以上の飛行時間を実現している。レーダーシステムとの連携により、広域監視、目標検知、追尾、迎撃を一体的に行い、従来の近距離迎撃中心の防衛体制に対して広域防空レイヤーを提供する。また、ロケット型迎撃ドローンTerra A1と組み合わせた多層型防衛の構築を進めている。

 今回の実運用では、現場から得られるフィードバックをもとに、継続的な性能改善と運用最適化を進める。実戦環境で蓄積された運用データや改善知見は、製品の高度化や各国防衛機関との協議、グローバル市場への展開において、重要な競争力になるとしている。

 テラドローンは、今後もコンバットプルーブンの製品展開を進めながら、同様の課題を抱える他地域への展開も視野に入れ、持続可能な防空インフラ構築を推進していく。また、日本や欧州、中東、アジア太平洋地域を含む各国政府・防衛機関との連携を強化し、多層型防衛ソリューションの構築に取り組む方針だ。

ハルキウ州 攻撃型無人機中隊 対空迎撃ドローンプラトーン 指揮官のコメント

「Terra A2」は、攻撃型無人機からウクライナの重要インフラを防護するために運用されているドローンです。相手ドローンへの対処には各要素の連携が不可欠であり、迎撃機そのものがその任務の中核を担っています。

 我々の部隊では、「Terra A2」を採用する前に複数のシステムを比較・検証しました。その中で「Terra A2」は、操作がシンプルで直感的であり、オペレーターの習熟も容易であることが確認されました。また、公表されている性能仕様を満たしているだけでなく、実運用ではそれを上回る成果を示しています。

 そして最も重要なのは、「Terra A2」が実際の現場において、任務を遂行可能であるという点です。確かな結果を生み出す信頼性の高いシステムだと評価しています。