2026年4月7日、Spakonaは、ドッドウエル ビー・エム・エスと共同で、防衛装備庁航空装備研究所が推進する「飛行実証AIの作成および飛行試験支援に関するプロジェクト」を受注したと発表した。
このプロジェクトは、無人機に搭載するAIの研究開発および飛行実証を目的としており、実機を用いた高度な検証を約3年間にわたり実施する。
航空分野では有人機と無人機が連携する次世代システムの実現に向けた研究開発が加速しており、その中核技術としてAIによる高度な意思決定能力への期待が高まっている。その中でも、複数の航空機やシステムが同時に稼働する状況下で相互の状態を踏まえながら最適な判断を行う「マルチエージェント型の行動判断AI」は、次世代の航空システムを支える重要な基盤技術として注目されている。
このプロジェクトでは、無人機におけるAIの実運用を見据え、シミュレーション環境で学習したモデルを実機に適用する際に生じる課題を克服し、高い信頼性と安全性を備えたAIの確立を目指す。また、限られた計算資源でのリアルタイム処理や動的に変化する状況下での意思決定など、高度な技術課題にも取り組む。
無人機が人の意思決定を補完する未来への一歩であり、日本における次世代航空技術の発展に寄与する先進的な研究開発プロジェクトとして位置づけられる。
プロジェクト概要
この事業では、無人機に搭載可能な飛行実証AIを開発し、シミュレーションと実機環境の双方で性能検証を行う。
【主な取り組み】
- マルチエージェント深層強化学習を用いた行動判断AIの開発
複数の無人機や仮想エージェントが相互に影響し合う環境を想定し、マルチエージェント深層強化学習を活用したAIを開発する。ニューラルネットワークをベースに、協調・競合といった複雑な状況下でも最適な行動を選択できる意思決定能力の獲得を目指す。 - エッジ環境で動作するAIの実装
無人機に搭載する小型計算機上で安定して動作するよう、計算効率とリアルタイム性を両立したAIモデルを実装する。 - 高度な飛行・戦術タスクの実証
複数機が関与する環境下での行動判断能力を検証するため、以下のような高度なタスクを実施する。- 仮想目標への追従飛行
- 複数機による模擬空対空状況下での行動判断
- 複数エージェント間の協調・競合行動の検証
- HILS試験および実機飛行試験による検証
地上試験から実機飛行まで段階的に検証を行い、マルチエージェント環境下におけるAIの信頼性と安全性を確保する。 - 継続的なAI改善と将来展望の検討
飛行試験データをもとにAIモデルの改善を継続的に行うとともに、将来の無人機システムへの応用を見据えた設計検討を進める。
受注内容
| 事業者 | 防衛装備庁航空装備研究所 |
| 受注内容 | 無人機向け飛行実証AIの作成および飛行試験支援・報告業務一式 |
| 受注金額 | 5億350万3990円 |
| 納期 | 2029年5月18日 |
| 事業内容 | マルチエージェント深層強化学習を活用した行動判断AIの開発と、シミュレーションおよび実機による飛行実証を通じた性能検証・高度化、ならびに将来の無人機への応用を見据えた技術検討。 |
Spakonaはこのプロジェクトを通じて、マルチエージェント深層強化学習を活用した行動判断AIの高度化を進めるとともに、シミュレーション環境で学習したAIを実機で確実に機能させるための技術基盤の確立に取り組む。複数主体が関与する複雑な状況下でも安定して動作するフィジカルAIの実装を実現し、実用的なAI開発へとつなげていく。
また、プロジェクトで得られる知見や技術は、無人機分野だけでなくインフラ点検や災害対応、物流・モビリティなど幅広い領域への応用が期待されることから、これらの領域への展開も視野に入れている。
