2026年3月25日、韓国のキュラム(Quram)は、DXinnoが運営するグローバルAI共創プラットフォーム「VentroX(ベントロックス)」に参画し、日本市場でのパートナーシップ構築を本格化させると発表した。

 キュラムは、低帯域幅かつ不安定なネットワーク環境でも途切れのない高品質映像伝送を実現する、独自の映像圧縮・ストリーミングソリューション「VXT(Video Crossing Transcoder)」を軸に、日本の産業界との価値共創を目指す。

VentroXのロゴ

 現在、日本の産業現場ではAIやリモートオペレーションによるDXが急務となっている。一方、海洋や山間部、ドローンや車両といった移動体では、通信インフラの制約が高度なソリューション導入の障壁となっている。

 キュラムは20年以上にわたりサムスン電子のモバイル端末にコア技術を提供してきた実績を有しており、VentroXを通じて日本企業に技術提供することで、通信環境に左右されないリアルタイム・リモート化を実現するとしている。

 VXTは、独自のリアルタイム・ネットワーク分析により、帯域変動に合わせて解像度・フレームレートを動的に最適化し、衛星通信や不安定な無線環境下でも安定伝送を維持する。また、画面全体ではなく人物や異常箇所など「重要領域(Region of Interest)」を選択的に高解像度化し、送信データ量を抑えながらAI検知や人間による判断に必要な視認性を確保する。ソフトウェアベースのトランスコーダーとして提供するため、既存のカメラやサーバー環境を生かした低コストで高性能な映像伝送システムへとアップグレードが可能だ。

 キュラムは、VentroXに参加する日本企業と以下の形態での協業を提案している。

  • ジョイントベンチャー・共同開発
    日本の特定産業(建設・防災等)に特化した映像AIソリューションの共同構築。
  • PoC(実証試験)の迅速な実施
    日本国内の現場に合わせた最適設計と技術検証の全面支援。
  • AIプラットフォームへの組み込み
    既存のAIプラットフォームの「エッジ~クラウド間」の伝送エンジンとしてのVXT採用。

 キュラムの技術は、2020年にグローバル海運企業HMMの船舶モニタリングに導入され、衛星通信環境下での安定運用を実証したほか、韓国国防軍においても潜水艦や艦船など信頼性が求められる環境で採用されている。