2026年1月23日、伊藤忠商事は、ラストマイル物流のDXを推進するエニキャリと資本・業務提携し、同社が実施する第三者割当増資を引き受けることで合意したと発表した。
日本のEC市場において、消費者は商品の選定時に「どこで購入するか」だけでなく、「いつ・どこで・どのように受け取るか」も重視するようになっている。即時配送や日時指定、置き配、店頭受け取りなど、多様な受け取り方法へのニーズは今後も拡大が見込まれる。こうした消費行動の変化に伴い、ラストマイル物流は単なる配送プロセスではなく、注文後の通知や配送状況の確認、受け取り方法の選択・変更を含めた「企業と顧客をつなぐ重要な接点」となり、ECにおける顧客満足度やブランド評価に影響を与えている。
エニキャリは、「ルート配送」と「オンデマンド配送」を統合管理できるラストマイル配送管理システム「ADMS(anyCarry Delivery Management System)」を開発・提供するラストマイル物流DX事業者である。複数の荷主・配送事業者をつなぐことで、全体最適化された配送ネットワークを実現しており、AIやデジタル技術を活用した効率的かつ高品質なラストマイルDXを推進している。
伊藤忠商事は、企業のDXを総合的に支援する「伊藤忠デジタルバリューチェーン(以下、DVC)」を構築し、川下領域を起点とした事業変革を推進している。EC分野では、カスタマーサポート等の総合的なBPO(※1)事業を展開するベルシステム24や、ECサイト構築やデジタルマーケティングに強みを持つ伊藤忠インタラクティブなどと連携し、EC事業者のDXを支援してきた。
今回の提携により、エニキャリの即時配送サービスやラストマイルDX機能と、BPOやEC構築支援などのDVC各社の機能を組み合わせ、ECの基幹業務を一括して担う「ワンストップ型フルフィルメントサービス(※2)」の提供を目指す。EC事業者がサイト構築・受注管理からカスタマーサポート、倉庫・在庫管理、ラストマイル配送までを一括して外部委託でき、商品企画やブランド戦略、マーケティングなどのコア業務に集中できる環境を構築する。また、EC利用者が生活様式に合わせて受け取り方法を柔軟に選べる、安心で快適な顧客体験の実現を目指す。
伊藤忠商事はこの提携を通じて、ECフルフィルメント事業の拡大と、ラストマイルDXによるEC領域における新たな顧客体験の創出を図る方針だ。
※1 Business Process Outsourcingの略称。アウトソーシングの一種で、自社の業務プロセスを一括して外部の専門的な企業に委託すること。
※2 EC事業における、商品の受注管理から発送および配送業務、アフターサービスまでの業務全般。
