2025年12月25日、東急建設は、東京都あきる野市で進めているスマート林業の実証事業フィールドにおいて、松本システムエンジニアリングが開発したラジコン式伐倒作業車「シン・ラプトルⅡ」を本格導入すると発表した。

 シン・ラプトルⅡは、木を安全かつ狙った方向にコントロールしながら切り倒す伐倒と、切り倒した立木の搬送をオペレーターが離れた場所からラジコン操作で行う無人作業車であり、伐採した立木を集めやすいように一定間隔の列を作って機械的に間伐を行う搬出型列状間伐に対応する。最大45度の傾斜地においてボタン一つで伐倒を自動実行できるなど、高い安全性と作業効率を実現している。

写真:山中の傾斜付近のシン・ラプトルⅡ
傾斜地での伐倒作業準備
写真:シン・ラプトルⅡが傾斜地で木を伐倒する様子
傾斜地での伐倒作業状況
写真:シン・ラプトルⅡから数メートル離れた場所で操縦する様子
ラジコンによる遠隔操作

 全国の山林では、所有者の分散や林業従事者の高齢化・減少による管理不足が課題となっている。土砂災害リスクの増加や木材生産機能・生物多様性の低下など、森林の多面的機能を阻害する要因にもなっている。

 一方、伐倒作業をはじめとする林業は、急傾斜地や足場の悪い環境下での作業が多いため、労働災害リスクが高い産業である。この状況を改善するため、危険作業を機械化し、データに基づき作業の効率化を図る新たな森林経営手法が求められている。

 東急建設は、東京都あきる野市の小和田・戸倉地区において、作業道整備から搬出型列状間伐、伐採木の販売までを一体で行うスマート林業の実証事業を進めている。この実証の主要な施策の一つとして、シン・ラプトルⅡを本格導入する。

【実証事業・詳細】

場所東京都あきる野市小和田・戸倉地区
期間2025年6月17日~2030年5月31日
内容森林経営管理計画の作成、作業道の整備、搬出型列状間伐、伐採木の販売
検証項目実証事業収支管理、必要技術、関係機関との連携

 今後、東急建設は林業の就業環境を「重労働中心の現場」から「機械操作・監視中心の現場」へ移行し、特に遠隔操作技術の活用により「人ができるだけ危険な場所に立ち入る必要のない安心・安全な林業現場」を実現する計画だ。この実証の成果をもとに、東京都あきる野市以外の地域への事業エリア拡大を予定している。