Team Energyグループは、マイクロドローンおよびセキュリティドローン領域の研究開発・社会実装を推進する新会社「Micro Drone Japan」を2025年11月に設立した。
Micro Drone Japanは、「安心安全と持続可能性を自らの手でつくる」をミッションに掲げ、研究開発(R&D)、DaaS(Drone as a Service)、官需・民需対応の三位一体モデルを基盤に事業を展開する。まずは、ドローン専門人材の発掘育成、侵入被害対策用ドローンの社会実装を進める方針だ。
Micro Drone Japanは、無人機分野における海外製品への依存を減らし、国産マイクロドローンとアンチドローン技術を核とした「空のセキュリティ基盤」を構築することで、安全保障と産業競争力の両立を目指す。さらに、夜間・危険環境・広域監視といった人では対応しにくい領域を、無人かつ自律的な技術で補完し、人命保護と現場の負担軽減を実現する。
また、国公立研究機関や大学、自治体、企業との連携により、実証から商用化、量産へとつなげるロードマップを描いており、千葉科学大学の飯田涼太氏をはじめとする専門家がプロジェクトに参画する予定だ。今後は、銚子市との包括連携協定のもと、大学・自治体・民間の垣根を越えた研究と社会実装を進めるとしている。
事業ドメイン
- 世界ドローン研究所・商社
世界中のドローンを調査し、国内にソフトと掛け合わせ展開。ドローン商社の立ち位置を確立する。 - R&D(研究開発)
マイクロドローンの機体・電源・通信・耐環境性、AI画像解析・群制御・自律飛行、およびマイクロ波等による無力化技術の融合研究。夜間・山間・有害環境での安定運用を重視する。 - DaaS(Drone as a Service)
機体、ソフトウェア、運用(SOP・教育・保守)まで一気通貫で提供。SaaS型の管理・可視化プラットフォームを組み合わせ、導入初期から安定稼働を実現する。 - 官需・民需の社会実装
防衛・治安・防災・重要インフラ・農林水産まで幅広く対応。自治体・省庁・企業での実証実験から段階導入、横展開まで伴走する。
重点テーマ
- 害獣被害対策ドローン
山林エリアから害獣侵入に対する検知・追尾・追払い。 - 侵入被害対策ドローン
民家への侵入に対するセキュリティ対策。
ロードマップ
- 2025年:設立・初期実証の着手
重点4領域のPoC設計、パートナー連携の枠組み整備、DaaS提供の初期案件化。 - 2026年:官民での社会実装拡大
自治体・企業での段階導入、量産体制の要件定義、UTM連携の高度化。 - 2027年以降:スケール/輸出入連携
国内外の共同研究・共同開発を拡大、国産ソリューションの標準化・輸出を視野に入れる。
人材育成・コミュニティ形成
Micro Drone Japanでは、3人制ドローン大会の開催を予定している。AI×自律飛行×防災・害獣対策などの実践課題をテーマに、高専や理工系学生を対象とした技術人材の発掘・育成を目指すもので、優秀層にはライセンス講習費の補助や採用オファーなどの機会を提供する。産学官のメンター陣および審査体制の整備を進めている。
代表メッセージ
代表取締役 中村誠司氏
ドローン産業は今、大きな転換点を迎えています。機体の性能競争は成熟し、安価で高性能なドローンが世界中に溢れています。しかし、それらが日本の社会課題——害獣被害、人手不足、インフラ老朽化——を解決できているかと言えば、まだ道半ばです。その最大の理由は、機体を動かす「頭脳(AI)」と、社会に受け入れられるための「環境(法・運用)」が分断されていることにあります。
私たちMicro Drone Japanは、ハードウェアメーカーではありません。世界中の優れたドローンの中から最適な「体」を選び出し、そこに独自のAI解析・自律制御という「脳」を与え、法整備や保険という「社会性」を付与する。まるでスマートフォンがOSによって生活を変えたように、私たちはドローンを単なる機械から「空の社会インフラ」へと進化させる『DaaS(Drone as a Service)』プラットフォームの構築と社会実装を目指しています。
私たちが目指すのは、特定のメーカーが勝つ未来ではなく、ドローンがあたりまえに人々の安全を守る未来です。この国が直面する課題をテクノロジーで解決し、「安心・安全な社会」を実現するために。私たちは空のOSプロバイダーとして、次世代の産業基盤を書き換える挑戦を続けていきます。
会社概要
| 会社名 | 株式会社Micro Drone Japan |
| 所在地 | 〒541-0041 大阪府大阪市中央区北浜2丁目6-18 淀屋橋スクエアビル15階 |
| 代表者 | 代表取締役 中村誠司 |
| 役員 | 取締役 金田隼人 |
| 設立 | 2025年11月 |
| 資本金 | 1億円 |
| 株主 | Team Energy GLI |
| 事業目的 | ・知的財産権(特許・商標・著作権等)の取得、管理、ライセンス事業 ・アンチドローン(検知・妨害・無力化)システムの研究開発・運用事業 ・国際連携およびコンサルティング事業 |
| 事業内容 | ・マイクロドローンおよびセキュリティドローンの研究開発 ・DaaS(Drone as a Service)プラットフォームの提供 ・AI・自律制御技術の開発 ・産学官連携による実証実験・社会実装支援 ・ドローン技術者の育成・教育プログラムの運営 |
| URL | https://mdj.co.jp/ |
