2025年12月9日、国土交通省 物流・自動車局物流政策課は、2025年度の「ドローンを活用した災害物資輸送に関する調査等事業」について、8件の交付を決定したと発表した。
国土交通省は、離島や山間部等の物流の担い手不足や物流需要が減少している地域において、ドローン物流の社会実装向けた取り組みを進めている。今回、緊急支援物資輸送体制の確保を目的に、物流事業者や地方公共団体、NPO等の関係機関が連携したドローン物資輸送訓練を実施する取り組みを支援する補助事業について、計8件の交付を決定した。交付決定額は約3100万円となる。
【ドローンを活用した災害物資輸送に関する調査等事業・案件一覧】
| 神戸モビリティフィールド協議会 | 大規模災害時に港湾施設への船舶の着岸が困難となる状況を想定した、船上から陸上拠点へのドローンによる輸送手順の確立を目的とした訓練の実施。 |
| 神戸モビリティフィールド協議会 | 神戸市北区の「あいな里山公園」を災害時の物資集積拠点見立てたドローン物資輸送訓練および着陸困難地におけるウィンチモードによる物資投下の検証による自治体等との連携手順確立。 |
| 東海巧房 | 夜間や煙霧下における着陸地点の策定、輸送ルート上の危険個所の把握、安全な物資輸送ルートの確保を実施し、消防本部と連携した合同訓練による安全な物資輸送のための事前探索体制確立。 |
| 北アルプスドローン輸送協議会 | 再生可能エネルギーの活用も視野に入れたドローンによる山小屋への低コストな物資運搬の実現と、災害時応援協定の締結を見据えた自治体と連携した物資輸送訓練の実施。 |
| KIPプランニング | ドローンを活用した災害時の物資輸送のさらなる事業展開のため、孤立リスクの高い集落を対象にした航行ルートや、被災直後に求められる輸送物の特定および輸送優先順位を整理し、自治体・防災機関・地域住民と連携した運用手順等を策定。 |
| NEXT DELIVERY | 山梨県東部・峡南地域を対象に、平常時と有事を分けないフェーズフリー型ドローン物流インフラを基盤とし、大規模災害時の孤立集落への迅速かつ確実な物資輸送体制を目指す。具体的には、ドローン配送ルートの事前構築(座標取得)、災害手順書の策定を通じて、全国展開可能なモデルを確立する。 |
| 田村市ドローン防災活用協議会 | 福島県田村市における洪水発生時の国道通行止めを想定し、市役所・行政施設等を拠点としたドローンによる物資輸送訓練の実施および訓練結果の展開による地域間、県レベルでの制度化・運用標準(ガイドライン化)の整備。 |
| ドローンコンシェルジュ | 岐阜県飛騨市の災害時に孤立するリスクがある地域において、自治体・消防・地域住民が連携した避難訓練と組み合わせた消防本部から孤立集落(地区公民館前)までの物資輸送の実施。 |