2025年12月9日、愛知県豊橋市は、同市消防本部が水難救助対応型ドローン1機を導入したと発表した。浮き輪投下、無線スピーカーによる声掛け機能を備え、この2つの機能を同時に使用できる。12月10日から運用を開始する。
豊橋市は太平洋と三河湾に面し、一級河川の豊川などが流れている。水難事故に備えて水上バイクや救助艇を配備しているが、救助隊員が要救助者に接触するまで、資機材の準備などに一定の時間を要していた。ドローンを導入することで、迅速性が求められる水難事故での早期救助が可能となる。機体の導入費用は約600万円。
導入したドローンは、上空から投下して水に触れると膨らむ棒状の浮き輪や、要救助者に無線で呼び掛けが可能なスピーカー、広角・ズームカメラ、赤外線カメラを搭載している。赤外線カメラは人の体温や火災の熱源を感知できるため、検索活動を迅速化する。夜間の災害状況も可視化し、的確な状況評価が可能となる。飛行時間は最大約55分、風速12mまで飛行させることができる。機体は豊橋市中消防署の消防救急課指揮隊に配備し、国家資格を取得した6人が操縦する。
水難救助対応型ドローンは、林野火災や山岳救助などにも活用が可能。災害時の被害調査や情報収集などを目的とした豊橋市ドローン飛行隊「RED GOBLINNS」とも連携するとしている。本橋由行消防長は「早期の救助、災害状況把握が可能となり、被害の低減につながる」と期待を寄せている。
