神奈川県は、2026年8月5日、県内におけるドローンの実用化・普及促進および社会受容性の向上を目的とした「ドローンの開発・実証実験に取り組むプロジェクト」の審査結果を発表した。
採択したプロジェクト4件に対し、開発・実証実験に係る費用の一部を支援するとともに、専門家の助言や実証実験の実施に関する支援などを行う。
開発プロジェクト
- 1件あたり最大1,200万円(税込)
- 安全性や信頼性を十分確保した新たなドローンの試作機を開発し、3年以内の実用化(2029年3月31日まで)および神奈川県内での実装を見込めるもの。
採択プロジェクト
電線等との衝突回避を含む柔軟な自律性を持つドローンの開発:Intent Exchange
ドローンによる河川巡視・点検では、橋梁周辺の電線や支線、樹木などへの接触リスクがある。このプロジェクトでは、ドローンの搭載カメラで撮影した画像からドローン自身が障害物を認識し、危険を判定して自律的に停止・減速・回避できるドローンソリューションを開発する。
打音点検を省人化する吊り下げ式壁面吸着ドローンの開発:manisonias
国内では築40年以上のマンションが今後急増する一方、建設技能者の減少・高齢化により限られた人員で点検品質と実施量を維持することが課題となっている。このプロジェクトでは、「壁面吸着型吊り下げ式 外壁接触点検ドローン」の開発に取り組み、外壁・橋梁・ 擁壁などにおける打音・打診点検業務の省人化、高所・狭隘部・構造物近接部での点検業務の安全面・身体面・記録作成面の負担軽減を目指す。
実証実験プロジェクト
- 1件あたり最大800万円(税込)
- 次のいずれかの実証実験で3年以内の実用化(2029年3月31日まで)および神奈川県内での実装を見込めるもの。
- 安全性や信頼性を十分確保した新たなドローンについての実証実験
- 既に具体化しているドローンを活用した新たなサービスについての実証実験
採択プロジェクト
反力抑制ユニット搭載ドローンの高所清掃業務の実証実験:WeeFeeS
高所の窓・外壁、太陽光パネル、畜舎屋根の清掃は、人力・足場・高所作業車に依存しており、 転落リスクや設営費、人手不足が課題となっている。ドローンによる洗浄・ 遮熱材塗布は、放水量不足や散布時の飛散に課題がある。このプロジェクトでは、自社開発の「放水反力抑制ユニット(後付け可能)」を既存の産業用ドローンに搭載し、高所の窓面・外壁などを地上から遠隔洗浄することで、品質や作業時間などの検証を行う。
ドローンポート活用による消防の通報初動対応にかかる実証実験:KDDIスマートドローン
神奈川県内では年間約1,900件の火災が発生している。火災対応は主に住民等からの通報が起点となっているが、誤報や野焼きの煙の通報も含まれており、消防職員の人手不足や対応リソースの切迫が課題とされている。このプロジェクトでは、消防署屋上や人工集中地区(DID)外に設置したドローンポートから完全遠隔でドローンを運航し、通報位置を多角的に撮影できるようにすることで、検知対象エリアの拡大、現場把握の有効性などを検証する。
