2026年6月16日、箱庭ラボは、湘南工科大学における「飛行形ドローンのモータ故障問題」に関する研究知見を踏まえ、ドローンの故障ケースをシミュレーション上で安全かつ再現可能に検証するための仮想実験環境について、技術検証を開始したと発表した。
この取り組みは、湘南工科大学 岡崎秀晃教授、磯貝海斗氏による「飛行形ドローンのモータ故障問題」に関する研究知見を背景としている。同研究ではマルチローター機におけるモーター完全故障時の墜落回避飛行状態や、動作点・平衡点との関係を整理している。
ドローンの社会実装が進む中、飛行中のモーター故障、制御異常、外乱などに対する安全性評価は重要性を増している。一方、実機を用いた故障試験には、安全性、コスト、再現性の面で大きな課題がある。特に、モーター完全故障のような異常状態は、実環境で意図的に再現することが難しく、実機試験前にリスクを洗い出すための仮想実験環境が求められている。
この取り組みでは、湘南工科大学におけるモーター故障問題に関する研究知見と、箱庭ラボが開発する分散シミュレーション基盤「箱庭」および「箱庭ドローンPRO」を組み合わせ、実機検証前に故障ケースを安全に評価できるプロセスの構築を目指す。
箱庭ドローンPROは、単なる飛行可視化や操縦訓練用のシミュレーターではなく、研究知見、実機由来の物理モデル、ローター特性、故障シナリオ、制御プログラムを接続し、故障ケース検証や制御評価を行うための仮想実験環境である。OSSシミュレーターを利用した研究開発では、環境構築、モデル調整、制御ソフトとの接続、評価自動化などに専門的な知見が求められる場合がある。箱庭ラボは、国産の分散シミュレーション基盤とドローンシミュレーションに関する技術支援を一体で提供することで、研究者や事業者が環境整備ではなく、本来の検証テーマに集中できる環境づくりを支援する。
この取り組みでは、動作点や平衡点といった、ドローンが一定の飛行状態を保つための釣り合い条件を踏まえながら、モーター完全故障時にどのような飛行状態が成立し得るかを仮想環境上で確認することを目指す。
2026年7月以降、実機仕様に基づくドローンモデル構築、ローター特性算出、PIDチューニング、故障シナリオ注入方法、故障ケースに対する制御ロジックの評価方法などを段階的に整理し、2026年9月以降の検証作業につなげる方針だ。
【各者役割】
| 湘南工科大学 | 飛行形ドローンのモーター故障問題に関する研究知見・学術的背景 |
| 箱庭ラボ | 分散シミュレーション基盤「箱庭」および「箱庭ドローンPRO」による仮想実験環境の構築・検証支援 |
