2026年6月16日、360度空撮ドローン「Antigravity A1」は、Nossaが提供するクラウドサービス「Nossa360」と連携し、東急建設が運用を開始した「リアルタイム遠隔現場管理システム」に採用されたことを発表した。このシステムは、建設現場でドローンが取得した360度全方位映像を、現場・支店・本社・発注者など複数拠点で共有し、遠隔地から現場状況を把握できる。

 Antigravity A1の360度空撮機能と、Nossa360の遠隔共有・コミュニケーション機能を組み合わせることで、従来のドローン映像では把握しづらかった現場周辺の状況を直感的かつ多面的に確認できるようになり、建設現場における情報共有、合意形成、安全管理、移動時間の削減への貢献が期待される。

写真:現場周辺の状況と4つのカーソル
Microsoft Teamsを使用したシステム活用事例(カーソルは各視聴者の視点の方向)

 大規模な建設現場では、現場担当者だけでなく本社や支店、協力会社、発注者など、複数の関係者が同じ状況を正確に把握する必要がある。従来のドローン映像は撮影方向が限定されるため、遠隔地にいる関係者が現場全体の位置関係や周辺状況を把握しづらいという課題があった。特に映像を見る側が「今どこを見ているのか」「どの箇所について話しているのか」が共有されにくく、認識のずれや確認作業の長期化につながるケースもあった。

 今回のシステムでは、Antigravity A1で取得した360度空撮映像をNossa360上で共有することで、遠隔地の関係者が同じ現場映像を確認しながら、それぞれに必要な視点で現場状況を把握可能。360度映像は撮影後でも任意の方向を確認でき、Nossa360を通じて複数拠点から同一映像を閲覧できるため、関係者間の認識合わせや意思決定が円滑に行える。空撮映像を単なる記録ではなく、現場判断や遠隔協議を支える実務的な情報として活用できる点が、この連携の大きな特長だ。

 この取り組みのPoCおよび導入にあたっては、日本低空経済振興会(LEAD-J)が、Insta360・Antigravity製品の検証支援、導入支援、操作講習などを行っている。

写真:操縦講習の様子
Antigravity A1の操縦講習
写真:Antigravity A1の撮影画面
Antigravity A1の画面

【システムの仕組み】

1. Antigravity A1で現場を360度空撮
一度の飛行で現場および周辺環境を360度映像として記録。

2. 撮影データをNossa360上で共有・確認
取得した360度映像をNossa360で共有し、遠隔地の関係者が同じ現場映像を確認できる。

3. 複数拠点から同時に確認・協議
現場、支店、本社、発注者などが同一映像にアクセスし、それぞれの視点で確認しながら注目箇所や現場状況について協議できる。

4. 付与したメモ・コメントからレポート作成
参加者はそれぞれ映像の場面と方向を指定して指摘コメントをつけることが可能。終了後はそのコメント・画像データからレポートを作成できる。

 Nossa360は、Insta360 Xシリーズに対応しており、360度映像の取り込みから共有・確認までを効率的に行える環境を提供している。これにより、360度映像をより扱いやすく、建設現場の業務フローにも取り入れやすい形で活用できる。

  • Antigravity A1
     360度空撮のために設計されたドローン。周囲全体を一度に記録できるため、従来のドローン映像のように撮影方向に制約されることがなく、撮影後に自由な視点で現場を確認可能。建設現場のように広範囲の状況把握や複数関係者による確認が求められる業務環境において、現場の可視化と遠隔確認を支援する。特に、現場全体の位置関係、周辺状況、危険箇所などを俯瞰的に確認したい場面で有効だ。
  • Nossa360
     360度映像を活用した遠隔現場管理・コミュニケーションを支援するクラウドサービス。360度映像の共有・閲覧に加え、Microsoft Teamsとの連携により日常的に利用しているコミュニケーション環境の中で現場映像を確認できる。また、参加者が自由に視点を切り替えられるだけでなく、他の参加者がどの方向を見ているかを把握できるため、注目箇所を共有しやすくなる。これにより「どこを確認しているのか」が伝わりにくい遠隔確認の課題を軽減し、現場状況に関する説明や判断を円滑化する。

 同システムは、現場に行かなければ確認できなかった情報を遠隔から共有できるようにすることで、業務効率化と安全性向上の両立を支援する。

 東急建設は、2027年度の全社展開を目指してシステムの活用を推進するとしており、今後はLEAD-Jと連携し、PoCから導入・運用支援まで含めた法人向け展開を進める方針だ。

写真:飛行するドローン
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