2026年5月28日、ブルーイノベーションは、Flyability社製の屋内点検用ドローン「ELIOS 3」において、点検業務を完全自動化する「リピートフライト機能」とクラウド連携機能の提供を開始したと発表した。
発電所や下水道、各種プラント設備は老朽化が進み、ドローンを用いた内部点検のニーズが急拡大している。一方、非GPS環境の屋内や狭暗所でのドローン操縦は難易度が高く、パイロットの育成や確保が困難であるという課題があった。
また、設備の経年劣化を見極める定期点検では、前回と全く同じ位置・角度で撮影することが重要になる。手動操縦では再現性に限界があり、さびやクラックなどの微小な変化(差分)を正確に比較することが難しい点も課題となっていた。
今回のアップデートにより、ELIOS 3は完全自動飛行による定期点検を実現。操縦経験の少ない現場担当者でもボタン一つで点検を実施できる。
3つの主要機能
- 点検品質を標準化する「リピートフライト機能」
初回の手動飛行で取得した点検ルートを記録し、次回以降は同じ経路を自動飛行する。飛行ルートだけでなく、速度やカメラの向き(チルト)、画角、露出設定、ライトの向きや強弱などの設定も再現し、毎回同じ条件で設備を点検することができる。さびやクラックといった経年劣化の「差分検知の精度向上」に直結し、より精緻な予防保全を可能にする。自動飛行中に障害物を検知した場合の回避機能や、必要に応じて任意のタイミングで手動操作へ切り替える機能など、安全性にも配慮した設計となっている。
初回のルート設定をブルーイノベーションや熟練パイロットが行えば、2回目以降は操縦経験の少ない現場担当者でもボタン一つで同一条件のデータ取得が可能。点検業務の属人性を構造的に排除する。 - 直感的に異常を把握できる「カラー点群化機能」
ELIOS 3が搭載するビジョンセンサーやLiDARにより取得した点群データに、カメラ映像の色情報を付与することで、カラー点群として表示。従来は判別しにくかった設備の腐食や汚れなどが視覚的に把握しやすく、点検結果の解析や報告書作成の効率向上に貢献する。 - データを組織で共有・活用する「Inspector Online」
ELIOS 3で取得した点検データをクラウド上で一元管理できる 「Inspector Online」 に対応。現場で取得したデータをチーム内や遠隔地の拠点と即座に共有でき、点検データを「蓄積・比較・意思決定」へと活用する基盤を提供する。
リピートフライト機能による自動飛行は、手動飛行を行いLiDARで記録した周辺環境の3Dマップをもとに実施する。そのため、手動飛行の時にはなかったガラスなどの透明な物体や、細いワイヤーといったLiDARで検知しにくい障害物が経路上に存在する場合、機体が接触する可能性がある。機体は障害物接触時にも姿勢制御を維持し、回避動作を試みる安全設計となっているが、運用時は常に飛行状況を監視し、安全を確認し続ける必要がある。
ELIOS 3は、スイスのFlyability社が開発した非GNSS環境下の屋内空間などの飛行特性を備えた屋内用ドローンELIOSシリーズの最新機種。3Dマッピング用LiDARセンサーを搭載しており、点検・施設情報をリアルタイムで3Dデータ化することで位置を特定する。最新のSLAM技術により操作性・安定性も向上し、操縦者の負担軽減と飛行時間の短縮を実現している。
