2025年12月15日、Liberaware(以下、リベラウェア)と九電ドローンサービス(以下、QDS)は、那覇市上下水道局の協力のもと、沖縄県那覇市内の雨水地下貯留施設において、狭小空間点検ドローン「IBIS2」のデモ飛行を実施したと発表した。那覇市上下水道局や管路管理業協会などが参加し、ドローン活用の有効性や安全性を検証した。また、IBIS2の操縦体験会も開催し、ドローンの機能や性能を知り実用性を体感する機会を提供した。

写真:屋外に設置されたテント周辺で説明を行う様子、多数の参加者
デモ飛行の様子
写真:屋内で操縦体験会を行う様子
デモ飛行の翌日に行った操縦体験会の様子

 IBIS2は「狭くて、暗くて、危険な」屋内空間の点検・計測に特化した小型ドローン。屋内狭小空間点検における利便性や汎用性を向上し、過酷な環境下での飛行や狭小空間での安定した飛行、鮮明な点検映像撮影が可能となる。国内製造で、機体の外形寸法は194mm×198.5mm×58mm、重量はバッテリー込みで243g。

写真:収納されたIBIS2、手のひらに載せたIBIS2

 デモ飛行では、ドローンによる点検作業の有効性・安全性を確認するため、飛行検証・映像検証・安全性検証の3点を目的に雨水管内に人が立ち入ることなく調査を実施。IBIS2による雨水管内部の撮影と検証に成功した。

写真:マンホール入口に設置された電波中継器
写真:マンホール入口からIBIS2を吊り下げる様子
左:電波中継器の設置状況、右:「IBIS2」が入坑する様子
写真:管路内に下された電波中継器とIBIS2が入った離着陸用専用籠
電波中継器(左)、離着陸用専用籠(右)

 ドローンで撮影した動画データをもとに点群データを生成し、管路内部の3Dモデルを構築した。さらに3次元データ計測システム「SEAMS」により地上部の周囲環境を取得し、その情報をもとに地上・地下を一体化した3次元データを作成。これらのデータをデジタル空間に再現し、現状の可視化と維持管理業務の高度化の有効性を確認した。

 QDSとリベラウェアは、今後もIBIS2を始めとするドローン技術を活用した点検手法の導入検討、技術開発、社会実装の推進に取り組む方針だ。

管路内部の3Dモデル
IBIS2で取得したデータから作成した3Dモデル
地上・地下を一体化した3次元モデル
IBIS2とSEAMSで取得したデータから作成した3Dモデル
写真:IBIS2が撮影した管路内部の様子
IBIS2で撮影した素材(一部)