クロロスは、2025年10月31日付でナイルワークスより「作物画像解析事業」を承継し、同事業を新たに開始した。

 同社は今後、AI作物認識を軸に、研究機関や企業と連携し、品種・農薬など次世代の農業資材開発を進めるとしている。

病虫害検出、雑草検出、熟度判定、穂・異形株検出
多様な作物・病虫害検出に対応する画像解析AI

 この事業では、作物の品種や農薬開発における試験・評価を、独自の近接撮影手法と画像解析AIにより、定量的・高精度・高速で実施する。品種開発では、これまで目視で行っていた病虫害や環境耐性評価を効率化し、従来は平均約10年を要していた新品種登録出願までの期間の大幅短縮を目指す。

 同技術は、公設試験研究機関での水稲品種評価をはじめ、国内外の農薬・種苗メーカーでも採用が進んでいる。また、研究開発分野に加え、一般栽培向けとしてイチゴの収量予測ツールを提供し、果実の成熟度を自動判定することで、収穫時期と収量の高精度な予測を実現している。

統合プラットフォーム「SWALO Scanner」
画像解析AIモデルの実行・結果集計・地理空間上へのマッピングを行う統合プラットフォーム「SWALO Scanner」

 クロロスの画像センシング・解析技術は、独自ソフトウェアによって高度1mからの自動飛行・撮影が可能。1〜2cmサイズの病虫害の検出や、生育ステージごとの精密な分析を行う。

 また、作物や病害虫など、特定用途に特化したAIモデルを高精度、高速に最適化し、AI性能・開発スピード・コスト効率を高める。

飛行経路、撮影した作物、圃場を飛行するドローン
最低高度1mからドローン近接撮影を実現する飛行経路生成ソフトウェア「Pathfinder」