2025年11月10日、自動操舵メーカーALLYNAVと戦略的パートナーであるマゼックスは、ALLYNAV製の果樹園・林地園向けハイブリッド自律走行型散布ロボット「Aries 300N」の日本市場展開を開始すると発表した。GNSSナビゲーション、自律走行、障害物回避、夜間作業に対応し、果樹農業の省力化、高精度化、安全性向上を実現する。

写真:Aries300N
Aries300N

 国内の果樹園では、複雑な地形や高温環境、人手不足などの課題が年々深刻化しており、従来の背負式・牽引式散布では対応が難しい状況となっている。Aries 300Nは、自律走行での精密散布により、作業負荷の軽減、安全性の向上、薬剤使用量の削減に貢献する。

自動運転用アプリケーションの使用イメージ
自動運転用アプリケーション
写真:果樹園を走行する様子
柑橘類果樹園利用想定
写真:ブドウ園を走行する様子
ブドウ園利用想定
写真:夜間にライトを点けて走行する様子
夜間散布想定

 Aries300Nは、衛星ナビゲーション技術を活用し、経路記憶と正確な測位により自動運転を実現。遠隔監視とアプリベースの複数機械制御で管理を簡素化し、効率的な運用を提供する。

 クローラーシャーシと内蔵タンクで重心が低くなり、登坂や旋回が容易。ユニバーサルスプレーヘッドは果樹園全体をカバーし、下から上への散布で害虫駆除効果を高める。ハイブリッドパワーシステムにより、耐久性と安定性を向上している。

写真:クローラーシャーシ部分

 夜間の害虫駆除にも対応。均一散布で水と薬剤を節約し、1日あたり最大10haをカバーする。静音設計で環境にも配慮。

 手動リモートコントロール、アプリ制御、プラットフォーム操作から、ユーザーのニーズに合わせてシームレスな切り替えが可能。作業者の負担を軽減し、安全性と効率性を両立する。

写真:リモコンでAries300Nを操作する様子
H12リモコンによるラジコン操作での手動運転とアプリによる自動運転

【製品の特長】

  • 自律走行+GNSSナビゲーション
    列間を正確に走行し、遠隔監視・複数台管理にも対応。
  • ハイブリッド駆動(ガソリン+電動)
    長時間・夜間運転に対応し、傾斜地でも安定走行。
  • 高精度な全面散布
    300Lタンク、最大10mの噴霧幅、粒径100〜500μmで果樹全体をカバー。
  • 夜間モード・スマート運用
    スマートフォンや専用プラットフォームから操作が可能。

【導入効果】
 作業者が農薬を浴びるリスクを排除しながら、少人数でも高精度・高効率な果樹園管理を実現する。

  • 作業効率向上
    1日あたり最大10haクラスの散布が可能。
  • 労働力不足解消
    自動運転によりオペレーター1人で複数台制御が可能。
  • 薬液使用量削減
    均一霧化と空気アシストにより薬剤ロスを最大30%低減。
  • 安全性の向上
    夜間作業により高温下での薬剤曝露を回避。

製品仕様

駆動方式ハイブリッド(ガソリン+電気)
出力電圧48V
発電機定格出力9.5kW
駆動モーター出力1kW
燃料タンク容量6L(最大消費 3L/h)
排気量459cc(92#ガソリン)
走行速度最大1.25m/s
旋回半径0m(その場旋回)
最大傾斜角10°
噴霧方式圧力送信+空気アシスト
タンク容量300L
ノズルXR4501S/XR9502S×8基
定格噴霧流量16L/s 噴霧圧力13MPa
粒子径100〜500μm スプレー幅3〜10m
リモコンモデルH12(有効範囲 最大1,000m)