2025年10月1日、NTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)は、鳥獣害対策専用ドローン「BB102」の提供を開始した。

 レーザーによる高い忌避効果と自動航行機能により、農作物被害を抑制し、鳥獣害対策業務の負担を軽減させる。

写真:レーザーを照射するドローン

 イノシシやシカ、カラスなどによる農作物被害は年間約200億円に達している。また、鳥インフルエンザや豚熱など畜産業における防疫対策も喫緊の課題である。

 鳥獣害対策に特化して開発されたBB102は、農作物の被害減少に加え、鳥獣害対策に要する人的・時間的負担の軽減を図り、第一次産業全体の持続可能性の向上に寄与する。

製品概要

 BB102は、上空から広範囲にレーザーを照射できるため、地上設置型では難しかった屋上や高所を含む鳥害対策を実現する。

  • 忌避装置「クルナレーザー」(地域総研)による忌避効果
     赤色と緑色のレーザーをランダムに照射し、鳥獣へ強い違和感を与え退避を促進させる。慣れへの対策としてスペックルノイズ(ちらつき)を生じさせ、忌避効果の持続性を高めている。
    写真:赤色と緑色のレーザーを照射する様子
  • 自動航行機能
     送信機の画面で飛行範囲を設定するだけで自動航行が可能。養鶏場や牛舎など、広範囲のエリアを効率的に対策できる。
    地図上の飛行経路
  • FPVカメラ搭載
     送信機の画面上で屋根や高所の確認が可能。鳥獣害対策に加え点検用途にも活用できる(目視外飛行は不可)。
    写真:機体のFPVカメラ
  • 幅広い鳥獣への効果
     カラス、ハトなどの鳥類、イノシシやシカ、カワウ・サギ・ハクビシンなど、多様な鳥獣に対する忌避効果を確認している。水田、果樹園、山林、湖などさまざまな環境で有効。
    効果が確認された鳥獣害リスト(カラス、シカ、イノシシ、カワウ、サギ、マガモ)

主要諸元

寸法(全長×全幅×高さ)アーム展開時:935mm×935mm×676mm
アーム折り畳み時:611mm×560mm×676mm
重量機体本体:6.1kg
忌避装置含む:10.2kg
忌避装置・バッテリー含む14.9kg
最大離陸重量21.2kg
最大飛行時間25分(ホバリング/忌避装置搭載時)
最大飛行速度
(GPS制御時)
水平:5.6m/s
垂直:1.0m/s
耐風性能8.0m/s
プロポ(送信機)使用周波数带:2.4~2.483GHz
最大電波到達距離:1km