2025年9月18日、カワサキモータースは、ブルガリアのDronamics(以下、ドロナミクス)社と、航空機用レシプロエンジンの開発および民間用無人航空機(UAV)の社会実装に向けた戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

 カワサキモータースが開発する航空機用レシプロエンジンを、ドロナミクス社が展開する民間用貨物輸送UAVの主力モデル「Black Swan」に搭載し、同機の社会実装と実運用を目指す。

写真:航空機の前に並ぶカワサキモータースとドロナミクス社のチームメンバー
カワサキモータースおよびドロナミクス社のチームメンバーと「Black Swan」

 Black Swanは、350kgの貨物を2,500kmの距離まで輸送が可能。カワサキモータースのエンジン技術および製造ノウハウと、UAVの設計・製造・運用におけるドロナミクス社の専門性を融合し、次世代の航空用レシプロエンジンの研究開発から、性能試験、Black Swanでの実証にわたり連携することで、同機の積載能力、航続距離、速度、コスト効率における市場優位性および持続可能性の向上を図る。

各社コメント

Dronamics 共同創業者 兼 CTO Konstantin Rangelov(コンスタンティン・ランゲノフ)氏

 カワサキモータースとの戦略的パートナーシップは、当社におけるUAV技術と事業における大きな前進を意味します。技術パートナーとして、私たちはカワサキモータースの先進的な航空機用レシプロエンジンの採用を通して次世代航空機の未来を形作っていきます。カワサキモータースが航空機用レシプロエンジンの開発を進める中で、我々の「Black Swan」を選んでくれたことは、私たちにとって大きな名誉であり、Dronamicsの高い技術力の証です。
 本協業は、Dronamicsと日本産業界との関係をさらに強化するものです。将来的には、日本市場向けに設計された「Black Swan」の開発も視野に入れており、民間貨物輸送、災害救援、緊急物資輸送、消防などの用途にも対応可能です。

カワサキモータース 常務執行役員 航空システム総括部長 友森博志氏

 カワサキモータースが長年にわたり培ってきたエンジン開発の知見と、Dronamics社の先進的なUAV技術を組み合わせることで、次世代の航空機に求められる高性能かつ環境負荷の少ない推進システムの実現を目指します。両社の技術力を融合することで、UAVのみならず一般航空機分野においても、新たな価値を創出していきます。