ブルーイノベーションは、2025年8月3日に三重県志摩市で実施された「令和7(2025)年度 国府地区海岸・志島地区海岸津波避難訓練」において、同社の「BEPポート|防災システム」を活用したドローンによる避難広報の実証実験を行った。

 志摩コーストガーディアンズが主催する津波避難訓練の一環として実施したもので、海水浴客やサーファー、漁業者を含む幅広い対象に対する災害時の情報伝達と避難誘導の実効性を検証した。

 訓練は、南海トラフを震源とする巨大地震が発生し、同地域で震度6強を観測、志摩半島から熊野灘沿岸に大津波警報が発表されたという想定のもと実施。手動サイレンや拡声器、休憩舎前に設置された津波避難用閃光灯とサイレン、津波フラッグ、海上巡視艇、ブルーイノベーションのドローンシステムなどを活用して警報を伝達し、海岸利用者や漁業者を安全に避難させる訓練を行った。

写真:ドローンポートとスタンバイするドローン、飛行するドローン

訓練の概要

 志摩市内でも有数の観光地である国府地区・志島地区の海岸において、南海トラフ巨大地震等による津波災害を想定した避難訓練を実施し、海岸利用者や地域住民の防災意識を高めるとともに、迅速で安全な避難体制の確立を図る。

【訓練日時・場所】

日時2025年8月3日(日)10:00~11:10
場所国府地区海岸(国府白浜海岸、阿児の松原海水浴場)、志島地区海岸(市後浜海岸)

【訓練の想定シナリオ】

  • 午前10時、南海トラフを震源とするマグニチュード9.0の地震が発生
  • 同地域で震度6強を観測、志摩半島から熊野灘沿岸に大津波警報が発表
  • 手動サイレン・拡声器・放送機器、休憩舎前設置の津波避難用閃光灯とサイレン、津波フラッグ、海上巡視艇、ドローンなどにより警報を伝達
  • 海岸利用者はサーファー等の誘導で速やかに避難、地域住民や漁業者も高台や一時避難場所へ避難

 ブルーイノベーションは、BEPポート|防災システムを活用し、海岸線約1.8kmにおいて、速度約8m/s、高度約28mで自動飛行させたドローンによる上空からの音声広報と避難誘導を実施した。海水浴客やサーファー、漁業者に対して迅速かつ広域的な警報伝達を行い、災害発生時における情報伝達の有効性を検証した。

 また、防災関係者や報道関係者に向けて同システムの特長や今回の活用状況についてプレゼンテーションを行い、災害時の具体的な運用イメージを共有した。

写真:海岸の空中写真に示された、避難訓練対象区域、ドローン飛行区域、離着陸場所
当日の飛行経路
写真:海上から撮影した海岸の様子
海岸利用者の避難状況(リアルタイムで把握可能)
写真:関係者に説明する様子
関係者に向けた説明会の様子

 BEPポート|防災システムは、ブルーイノベーションのドローンポート情報管理システム(VIS)を基盤に、Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動し、災害発生時の避難広報および現場の状況把握を自動化することで、迅速かつ的確な初動対応を可能にする。すでに宮城県仙台市や千葉県一宮町に導入されており、2025年7月30日に発生したカムチャツカ半島付近を震源とする地震に伴う津波注意報・津波警報でも稼働している。