三菱重工業(以下、三菱重工)は、2025年7月17日、日本UAS産業振興協議会(JUIDA)の参加要請に基づき、陸上自衛隊朝霞駐屯地で実施された、首都直下地震発生時の対処能力向上を目的とする実動訓練に参加した。
陸上自衛隊東部方面隊が自治体などと連携して実施したもので、三菱重工は、民間機セグメントが開発中の中型マルチコプター型無人機(以下、中型無人機)と、防衛・宇宙セグメントが開発中のVTOL(垂直離着陸)型無人機を活用して、孤立する被災者に救援物資を輸送する訓練を行った。
三菱重工は、今後も民間・防衛用途の両方を考慮したデュアルユースの無人機開発を進めるとしている。
中型無人機の実証試験
中型無人機は、災害時の救援物資輸送や、離島・山間部への物流支援、送電鉄塔工事での資材運搬など多様な用途を想定して開発している。離陸・巡航時の耐風機能を高める物資の抱え込み機能や、目的地でホバリング(停止飛行)状態からウインチで物資を下ろす自動荷下ろし機能を備えている。
今回の訓練では、救援物資の積載実証と飛行実証を行った。今後、衛星通信機能の搭載、エンジンを用いて発電するハイブリッド化により航続距離を延長するなど、機能向上を進める。
【中型無人機 仕様】
| ペイロード(最大積載量) | 200kg |
| 航続距離 | 15km(バッテリータイプ) 200km(開発中のハイブリッドタイプ) |
| 機体寸法 | 全長約6m |
| 動力 | バッテリー/ハイブリッド(開発中) |
| 運搬容易性 | 離着陸地までトラックで運搬可能 |
| 実証試験のための追加装備 | ウインチを使った自動荷下ろしシステム、支援物資運搬コンテナ |
