2025年7月16日、Dshiftは、秋田洋上風力発電が運営する秋田港洋上風力発電所において、ドローン・AIにより自動化したブレードダウンコンダクター(※1)の導通試験(実務実証)を実施したことを発表した。この導通試験は、秋田洋上風力発電、丸紅洋上風力開発、ベスタス・ジャパン、MHIベスタスジャパンの支援を受け実施したものとなる。

※1 風力発電機のブレードに取り付けられた雷電流を安全に大地に逃がすための導線。

写真:飛行するドローン、ブレードの先端に接近するドローン
実務実証の様子

 今後、大規模開発が計画される洋上風力の有望地点は、気象・海象条件の厳しい区域が多く、特に冬季の日本海側の落雷は、頻度およびエネルギー量とも高く、甚大な被害につながる可能性が高いことから「雷対策重点地域」に指定されており、導通試験によるブレードダウンコンダクターの健全性確認が求められる。

 現在、導通試験はロープワークで実施しているが、強い風が吹く有望地点での墜落災害防止のための安全対策が必要なことに加え、試験対象のブレードを都度回転させて下へ向ける必要があることから、点検時間が長くなり発電停止時間(ダウンタイム)が長期化するという課題がある。

 ドローンとAIにより作業を自動化することで、墜落災害リスクをなくし、作業時間短縮によるダウンタイムの最小化を同時に達成する。また、洋上風力発電の安全で安定的な稼働により事業性を向上させるなど、風力エネルギーを最大限に利用できる。加えて、作業全体の時間短縮や自動化により人材不足解消と地元企業・人材活用に寄与するなど、地域に根付いた持続可能性の高い発電所運営を可能とする。