2025年8月4日、トリプルアイズは、独自開発・運用するAI顔認証エンジン「AIZE」の精度を向上させ、低品質画像にも対応する「model_6」の提供を開始したことを発表した。
顔認証技術は、勤怠管理や入退室管理、防犯、決済など、さまざまな場面で実用化されている。一方、現場運用では精度、特に照明不足やマスク着用、斜め顔などによって撮影された低品質画像が課題となっていた。
こうした画像に対して、従来のAIモデルでは認証精度が低下し、業務フローの停滞やユーザー体験の悪化を引き起こす可能性がある。顔認証の信頼性をさらに高めるには、正面画像だけでなく、より多様な条件下でも安定して動作するモデルが求められていた。
AIZE「model_6」の特徴
AIZEは2019年にサービスを開始し、バージョンアップを重ねてきた。今回ローンチしたmodel_6では、照明不足、手ブレ、角度ずれ、部分的隠れ(マスクなど)により、認証精度を低下させる低品質画像への対応として、4つの技術を統合することで精度向上を目指した。
- 画像品質に応じてマージンを動的に調整する技術
- 顔の位置ずれに対する耐性を向上する技術
- ハードサンプルの影響を軽減する技術
- クラス間距離の最適化技術
これまでmodel_5では、マスク着用時の認証で高い精度を示してきた。今回のmodel_6では、加えて正面以外の画像にも高い認証精度を示し、総合的な性能と実用性を備えている。model_1と比較して、model_6は約7ポイントの精度向上を実現している。
トリプルアイズは、今後、技術的課題解決に取り組むとしており、静止画像によるなりすましへの対応や、生成AIを用いたデータセット充実の開発を進めている。
