2025年7月23日、オプティムと九電ドローンサービス(以下、QDS)は、これまでQDSが提供していた「枯れ木検知サービス(以下、従来サービス)」に、オプティムのAI解析技術を組み合わせた「枯れ木検知AIサービス」を新たに開発したと発表した。枯れ木をAIで自動検出することで、枯れ木調査業務の高度化・効率化を目指す。
従来サービスでは、対象エリアが広範囲に及ぶ場合は枯れ木の検出に多くの時間と労力を要することが課題となっていた。オプティムのAI解析技術を組み合わせることで、管理ソフト上で枯れ木の自動検出が可能なサービスを新たに開発した。
サービスの機能概要
可視画像とNDVI画像を活用した枯れ木AI検知
ドローン空撮により取得した可視画像とNDVI(正規化植生指標)画像に基づき、管理ソフト上で画像解析による枯れ木箇所の自動検知、地図上での可視化を実現する。可視画像とNDVI画像の切り替えも可能。
2点間距離測定、国土地理院地図による断面図自動生成
管理ソフト上で2点間を指定することで、オルソ画像の高さ情報と国土地理院の高さを比較し、傾斜角や枯れ木の高さを算出する。
国土地理院地図の標高図データ反映
オルソ自動生成のタイミングで、AI解析結果とあわせて標高図データを反映。
実フィールドを用いた検証
西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)が取り組む倒木対策では、これまで人力により枯れ木調査を実施し、計画的に伐採作業を行っていた。2022年度から実フィールドで従来サービスによる枯れ木調査業務の効率化の検証を開始し、2024年度からは枯れ木検知AIサービスでの検証に取り組んでいる。
現地検証の概要(2025年度)
| 実施日 | 2025年6月12日(木)~13日(金) |
|---|---|
| 実施場所 | JR西日本エリアにおける鉄道沿線 |
| 使用機材 | 垂直離着陸固定翼ドローン「Trinty Pro(QuantumSystems社製:ドイツ)」 |
| VTOLマルチスペクトラルカメラ「MicaSense Altum-PT(MicaSense社製:米国)」 | |
| 回転翼ドローン「Phantom4 Multispectral(DJI社製:中国)」 | |
| 枯れ木検知AIサービス「AI Inspection for Infra(オプティム社製:日本)」 | |
| 実施内容 | ドローンによる沿線樹木撮影、枯れ木検知AIサービスによる解析 |
| <枯れ木検知AIサービス> 可視画像とNDVI画像の自動生成、可視画像による枯れ木判定、NDVI画像による樹木活性度判定、枯れ木対象のリスク判定(断面図を用いた距離計算) |
