2025年7月30日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、深海巡航探査機「うらしま8000」が、7月21日、伊豆・小笠原海溝において、国内で開発した航行型の自律型無人探査機(AUV)として最深となる深度8015.8mに到達したことを発表した。

 潜航時には、海底地形と海底下構造データの取得にも成功し、調査船からは観測できなかった海底谷の細かな地形を把握した。

 さらに、拓洋第3海山では急斜面での観測航行、日本海溝では東北地方太平洋沖地震の震源域近傍において、25時間34分におよぶ長時間観測航行に成功した。

 うらしまは、1988年に開発に着手し、改造やシステムの入れ替えを重ねてきた。2022年からは8000m級への改造を開始し、今回、水深8000mの航行試験に成功した。今後、地震研究など海溝域での詳細調査への活用が期待される。

写真:引き上げられた「うらしま8000」
深度8015.8mへ到達後に揚収された「うらしま8000」
深度により色分けされた地形データと「うらしま8000」の航跡
伊豆・小笠原海溝の深度約8,000mから取得した地形データ(速報値)。青線は、「うらしま8000」の航跡