2025年7月28日、西武建設は、同社が進める「耐久性評価を可能とした接触作業ドローンの研究・開発」が、国土交通省が公募するSBIR制度の技術開発課題に採択されたことを発表した。

 近年、建築物の老朽化や建築業従事者の減少により、効率的かつ安全な維持保全技術が求められている。一方、高所での建築物壁面の従来手法による点検・調査には、足場等の仮設工事が必要であり、仮設工事の設置作業時間と資材工数の増加から工期と費用がかかる。さらに、高所作業には墜落などの労働災害リスクも伴い、作業者の安全確保が課題となっている。

 この研究では、高所での建築物壁面の点検・調査を効率化・省力化することを目的に、壁面に接触して耐久性評価をする「壁面接触作業ドローン」を開発している。

 壁面接触作業ドローンは、ドローンを壁面に接触させ、搭載機器により建築作業を行う。2023年度には、ドリル法によるコンクリート壁面の中性化測定(コンクリートの健全性測定)、2024年度には、測定等により微破壊・破壊した壁面の復旧(穿孔の穴埋め、仕上げ)が可能となった。

【技術開発概要】

  • 建築物壁面にドローンを押し付け、作業反力を確保する機構の検討と開発
  • 作業工具の位置制御機構と、耐久性評価の測定機構の検討と開発
  • 調査者(有資格者)が遠隔で測定状況を確認し、実運用に最適な実施体制を検証
2024年度までの成果(2020年度より基礎研究を開始)/西武建設YouTubeチャンネル

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