2025年7月25日、ブルーイノベーションは、大阪府富田林市で、Flyability社製の屋内点検用球体ドローン「ELIOS 3」を活用した下水道点検技術の検証を実施したことを発表した。

 この取り組みは、国土交通省「老朽下水道の緊急重点調査」を受けた社会的背景のもと、特に硫化水素や流水などにより人力調査が困難な管路において、安全性と効率性を両立する新技術の導入可能性を検証することを目的としたもの。当日は、府内約15の自治体から行政関係者が参加し、現場における技術の有効性を確認した。

写真:飛行するドローン、操縦者など/管渠に進入するドローン
左:大阪府富田林市での技術検証の様子、右:管渠に進入する「ELIOS 3」

実証概要

 富田林市内の2種類の閉鎖空間(2200×1800mmのボックスカルバート、直径1500mmの管渠)で実施。ELIOS 3は、GPSが届かない環境下でも独自のSLAM技術により安定飛行が可能。高輝度LEDライトと高解像度カメラにより管内の状況を鮮明に可視化した。

 特に、合流部の汚泥の堆積状況など、従来は把握が困難だった箇所も映像で確認できた。取得した点群データは、専用ソフト「Inspector」を用いて解析し、3Dマップ上での映像位置の可視化や、任意ポイントでの距離測定、再解析が可能だ。

 ブルーイノベーションは今後、富田林市を含む府内自治体とのモデル事業化や導入支援の協議を進めるとしている。