2025年6月4日、兼松は、三菱地所、SkyDriveと連携して行った東京都「空飛ぶクルマを活用したサービスのビジネスモデル構築に関するプロジェクト」への提案が採択されたことを発表した。
2025年度下期に、都内で空飛ぶクルマ実機とVertiport Automation System(以下、VAS)(※1)を備えたターミナル付きのポートを活用した運航実証と離着陸場オペレーションを実施し、運用上の課題の洗い出しや技術的な検証を行う。試験飛行には、2025年大阪・関西万博でも飛行するSkyDriveのSD-05型機の使用を予定している。
空飛ぶクルマは、都市部での渋滞解消、交通空白地域への移動手段の提供、災害時での利用など、さまざまな社会課題解決に加え、移動時間の短縮、プライベートでの特別な体験など、新たな価値提供が期待されている。
兼松は、2022年度、三菱地所等とともに「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」に採択されて以降、都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの早期事業化を目指し、さまざまなビジネスモデルを検討してきた。2023年度には「都心ビル屋上と臨海部を繋ぐヘリコプターによる運航実証」を実施。搭乗時の顧客体験上の課題抽出や適性価格調査を通じた事業性検証、都心部において空飛ぶクルマを運航した際のオペレーション確認、音や風の周辺環境への影響などの技術的検証をヘリコプターを用いて行った。
今回採択されたプロジェクトは、空飛ぶクルマの実機とターミナルを備えたポートを一体的に運用し、「飛行前の準備」から「出発」「巡航」「着陸」「運航終了」までの一連の流れを実際に行うことで、運用上の課題を明らかにすることが目的となる。
※1 Vertiport Automation System:空飛ぶクルマの離着陸場の運用を自動化・最適化するシステム。離着陸場の空き状況管理や周辺空域の監視などの運航支援、地上設備を始めとしたリソースのデジタル管理、チェックインや顧客管理をシームレスに行う顧客体験に必要な機材を配置することで、空飛ぶクルマの安全・安心な高頻度運航の実現を支援する。
プロジェクト概要
空飛ぶクルマ実機とVASを搭載したポートを活用した運用実証
海外で空飛ぶクルマの離着陸場の設置・運用事業を展開する英Skyports社の協力により、VASを備えた空飛ぶクルマの離着陸場を設置し、当該ポートでSkyDriveが型式証明取得を目指し開発を進める空飛ぶクルマ実機を用いたデモフライトを実施。運航実証および地上オペレーション(離着陸管理・シミュレーション、チェックイン・保安検査、周辺安全管理・監視)の検証を行う。
【各社役割】
| 三菱地所 | ・全体統括 ・運航与件、ポート与件を踏まえ、都市の街やビルなどへの実装検討 ・ターミナルの設計、施工 |
| 兼松 | ・海外での規制、技術動向を踏まえたポート与件などの情報提供、与件整理 ・ポート運営に関する検討、情報提供 ・場外ポートに関する折衝、整備・設置 注)VASの導入・運用については業務提携先のSkyports社と連携し取り組む。 |
| SkyDrive | ・運航実証の実施 ・運航事業目線での離着陸場の与件整理 ・航空管制、運航に関連する検討、調整 ・ビジネスモデルの検討 |
