2025年5月27日、三菱地所と三菱地所・サイモンは、御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県御殿場市)に空飛ぶクルマ(eVTOL)の離着陸場である「御殿場プレミアム・アウトレット バーティポート」を竣工した。

 国土交通省の定める空飛ぶクルマのバーティポート整備指針を参考に整備した東日本初(三菱地所調べ)のバーティポートであり、2025年度秋以降には空飛ぶクルマ実機によるデモフライトを予定している。

 空飛ぶクルマの活用は、都市部での渋滞解消、交通インフラが不十分な地域での移動手段の提供、災害時の利用などの社会課題解決に加え、移動時間の短縮などの利便性向上、観光等の特別な体験価値の提供など幅広い展開が期待されている。

 三菱地所は将来的な空飛ぶクルマの利活用を見据え、2022年に「空の移動革命に向けた官民協議会」に参画。また、三菱地所・サイモンと共に「御殿場プレミアム・アウトレット」「酒々井プレミアム・アウトレット」でヘリコプター遊覧事業を展開。2022~24年には東京都の実証をコンソーシアム代表企業として受託し、都心部のビル屋上を活用したヘリコプターでの実証実験を行った。

写真:富士山を背景にしたバーティポート、空飛ぶクルマ
バーティポート
写真:旅客施設・運航管理施設
旅客施設・運航管理施設
ポートに着陸する空飛ぶクルマ、飛行する空飛ぶクルマ
利用イメージ
旅客施設・運航管理施設の利用イメージ

 このポートは国土交通省の示す「バーティポート整備指針」を参考に設計し、「令和6(2024)年度 バーティポート計画ガイドライン(仮称)の策定に向けた実証事業」の一環として整備をしている。

 ポート施設には、空飛ぶクルマの離着陸面に加え、トレーラーハウスを活用した旅客施設および運航管理施設を備えるなど、将来的には周辺エリアにおける空飛ぶクルマを活用した運航サービスや遊覧のハブとなることを目指すとしている。

名称御殿場プレミアム・アウトレット バーティポート(Gotemba Premium Outlets Vertiport)
所在静岡県御殿場市深沢1312
土地所有者三菱地所・サイモン
整備管理者三菱地所
設計三菱地所設計 ※トレーラーハウス型旅客施設および運航管理施設
主な設備バーティポート、トレーラーハウス型旅客施設および運航管理施設、風向指示器

三菱地所グループのこれまでの空飛ぶクルマ事業

2021年空飛ぶクルマ事業 社内での構想開始
2022年1月御殿場プレミアム・アウトレットでのヘリコプタークルージングサービスを開始
https://www.mec.co.jp/news/archives/mec220121_gotenba_helicopter.pdf
2022年2月丸の内で"空飛ぶクルマ"一般向けVR体験の実証実験を実施
https://www.mec.co.jp/news/archives/mec220202_evtol_vr.pdf
2022年3月「空の移動革命に向けた官民協議会」参画
2022年5月「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」の公募開始(東京都プレスリリース)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/19/02.html
2022年7月酒々井プレミアム・アウトレットでのヘリコプタークルージングサービスを開始
https://www.mec.co.jp/news/archives/mec220714_shisuioutlet.pdf
2022年8月東京都「空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」に参画決定
https://www.mec.co.jp/news/archives/mec220804_soratobukuruma.pdf
2024年2月東京都「空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」においてビルの屋上を活用したヘリコプターによる運航実証を実施
https://www.mec.co.jp/news/detail/2024/02/13_mec240213_sorakuru
2024年4月三菱地所設計 新時代のモビリティ『SMS:Seamless Mobility System』の構想において空飛ぶクルマ(eVTOL)のあり方を提唱
https://www.mjd.co.jp/files/news_detail/file/954/file.pdf
2024年9月国交省「令和6年度 バーティポート計画ガイドライン(仮称)の策定に向けた実証事業費補助金」に採択
2025年5月御殿場プレミアム・アウトレットに「御殿場プレミアム・アウトレット バーティポート」竣工