2025年5月12日、アイ・ロボティクスは、八潮市で発生した道路陥没事故の復旧工事を行う鹿島建設のもと、陥没地点に近接する下水管同士を接続する地下ピット(地下に設けられた空間)内部の調査に、同社の360度カメラ搭載ドローンが採用されたことを発表した。
地下7mの深さに位置し、硫化水素の発生が懸念される調査対象の地下ピットは、人の直接の立ち入りが極めて危険で、これまでに実施したドローンによる調査では全容の把握が困難であった。
アイ・ロボティクスは、全天球型の360度カメラを搭載した特殊マイクロドローンを現場に投入し、2回の飛行で地下ピット全域の高精細な映像データを取得。収集した360度映像は現場で即時に関係各所と共有された。このデータはSfM(Structure from Motion)や生成AIを用いた解析処理にも活用される予定である。
今回、アイ・ロボティクスが取得した映像とデータは、建設会社や自治体、関係機関による現場状況の迅速な把握と意思決定を支援し、復旧作業計画の策定に活用されている。
360度カメラを搭載したドローンを狭い箇所へ安全に投入し、全天球映像により現場を一気に記録・分析する同社の技術は、鉄道駅やプラントなどへの導入が進んでいる。
同社は、360度映像の取得に加え、LiDARスキャナー、独自開発の屋内測位技術、その他ロボティクス技術との連携による多角的・高精度な現場分析にも注力しており、今後、幅広い現場への対応を目指すとしている。