2025年4月8日、Terra Drone(以下、テラドローン)は、同社子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのUnifly(以下、ユニフライ)が、SESAR(※1)の共同研究機関であるSESAR 3 Joint Undertaking(※2)が進めるプロジェクト「ENSURE」に参画したことを発表した。
同プロジェクトは、U-Space(※3)と航空管制システム(ATM:Air Traffic Management)を統合し、ドローンと有人航空機の安全な共存を実現することを目的としている。
※1 新世代の航空交通管理システムの開発を目的とした欧州の航空管制近代化プログラム。
※2 SESARのプログラムを実行するための、政府機関や企業が参加する共同研究機関。
※3 欧州のドローン実装のための規制の枠組みまで含めた運航管理に関する概念。
ドローンの商用利用が急速に拡大する中、ドローンなどの無人航空機と有人航空機が共存する空域の管理が課題となっている。欧州ではU-Spaceの導入が進められており、既存の航空管制システムとの連携が不可欠とされている。
このプロジェクトでは、これまでSESARが推進してきたCORUS-XUAMやEUREKAなど複数のプロジェクトの成果を活用・連携しながら、U-Spaceと航空管制システムをシームレスにつなぐインターフェースの開発を進めている。リアルタイムの空域調整(DAR:dynamic airspace reconfiguration)を可能にすることで、ドローンと既存の航空管制システムが共存できる環境づくりを目指す。
プロジェクト概要
プロジェクトは、スペインに本社を置く航空関連技術ソリューションの提供会社であるINDRAが主導し、Airbus、EUROCONTROL、ENAV、ユニフライを含む欧州航空業界の主要企業が参画する大規模な取り組みとなる。2025年中のU-Spaceと航空管制システムの統合実証および、高密度な空域におけるリアルタイムの空域調整システムの確立を目指している。
【主な取り組み】
- U-Spaceと航空管制システム間におけるデータ交換や通信方法の標準化
- 航空管制官およびU-Spaceサービスプロバイダーの知見向上
- リアルタイムの空域調整システムの実装と検証
- 管制空域内のドローン運航に関する規制と安全要件への対応
【ユニフライの役割】
- ドローンと航空管制システムをリアルタイムで連携させるU-Spaceサービスの開発とテストの実施
- 欧州の最新規制に準拠した、U-Spaceと航空管制システムのインターフェースの標準化に向けた技術支援
- リアルタイムの空域調整システムの性能評価を目的としたシミュレーションや実証実験への参加
- ドローン運用の安全性・効率性向上のためのデジタル空域管理ツールの導入支援