2025年4月16日、イームズロボティクスは、2024年10月に受託した「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業」において、第二種型式認証を取得したドローン「E6150TC」を活用したレベル3.5飛行により、許可・承認不要で国道横断を実施したことを発表した。

 同事業は、内閣府地方創生推進事務局が進めるもので、2024年6月に指定した「連携“絆”特区」(福島県および長崎県、宮城県および熊本県)において、共通の課題を抱える自治体が連携して、規制・制度改革により課題に対応することを目的としている。

写真:上空を飛行するドローン

 イームズロボティクスは、持続可能なドローン配送サービスの実現を目指し、「レベル4飛行でのオンデマンド配送の実現に向けた調査」を実施しており、この調査では、エリア単位での許可・承認の取得に向け、異なるリスク特性を持つエリアに必要とされる安全対策やリスクアセスメントの検討を進めている。

 2025年2月末、福島県南相馬市内において、国道付近の高機能な緊急着陸地点を活用した安全確認オペレーションを実施し、E6150TCは国道6号線上空を安全に飛行することができた。

写真:飛行するドローン、PC画面を見る人

 この実証では、カテゴリーⅡ飛行における機体は第二種機体認証を取得しており、操縦者は二等無人航空機操縦者技能証明を保有しているため、レベル3.5飛行における事前承認を不要とし、人や車の往来は搭載カメラで有無を確認するなど、安全性を重視した運用を行った。

 同社は今後も、エリア単位でのレベル4飛行の許可・承認の取得に向け、複数のリスクの異なるエリアを想定した安全対策やリスクアセスメント等の検討を進めるとしている。エリア単位での飛行を基盤とした新たなサービスの具体化に向けたニーズや課題を明確化することを目指す。

使用機体「E6150TC」

 E6150TCは、2024年4月に型式認証を取得。航空法に基づく安全基準、均一性基準に適合した第二種型式認証の物流用途機体として正式に認められた。機体認証を取得し、また無人航空機操縦士技能証明を取得した者が飛行させる場合は、立ち入り管理措置を講じることによって、国土交通省の許可・承認が必要な特定飛行(目視外飛行・夜間飛行(目視内)・人口集中地区(DID)上空の飛行・人または物件から30m未満の飛行)が申請せずに実施できる。さらに、E6150TCは従来必要だったカテゴリーⅡの許可・承認申請が一部不要となる。

写真:E6150TC
E6150TC

【スペック】

製品名E6150TC
寸法(W×D×H)2,015×2,216×754(mm)
最大離陸重量24.0kg
ペイロード6.0kg
最大飛行時間最大35分(飛行条件による)
GCSアプリミッションプランナー(ver 1.3.80)
「新技術実装連携“絆”特区」として指定された福島県と長崎県で実施されている取り組みの背景や内容、目指す将来像について、県職員や事業者へのインタビューとともに紹介した動画/新技術実装連携“絆”特区~ドローンが届ける未来~(地方創生【内閣官房・内閣府】YouTubeチャンネル)