鴻池組とポケット・クエリーズは、2025年2月13日、大阪・夢洲の2025年日本国際博覧会施設整備事業小催事場建設工事(施設正式名称:EXPOナショナルデーホール)において、UNITREE製の四足歩行ロボット「B2-W」の自律走行実験を実施した。

 建設業界では、労働力不足への対応と作業員の安全確保が喫緊の課題となっている。とくに建設現場の巡回業務は、段差のある場所での作業も多く、自動化による業務効率化が求められている。

 今回の実験では、外観に連続したスロープを有する複雑な形状の建物において、四足歩行ロボットの自律走行を検証した。現場では2024年1月から旧型四足歩行ロボット「B1」を使用していたが、新たに最新機種「B2-W」によるテスト走行を実施した。B2-WはB1と比較して走行性能が大幅に向上している。

B1B2-W
走行スピード時速4.3km時速22km
段差乗り越え能力20cm45cm

 現場内の階段における走行テストでは、段差の昇降に問題がないことを確認。また、複雑な形状のスロープにおける走行を通じて実運用への適応性も実証した。

 ポケット・クエリーズと共同でライントレース機能を新規開発。ロボットに搭載した深度カメラ(※)と画像認識技術を活用したもので、床面に敷設したカラーテープに沿った自律走行が可能となる。現場で初のテスト走行を行い、屋外特有の日照変化が激しい施工条件下でも安定した走行性能を確認した。

※ 撮影対象までの距離(深度)情報を取得できるカメラ

写真:テープに沿って走行する「B2-W」
床面に敷設したテープ(ライン)に沿って自律走行する四足歩行ロボット「B2-W」
写真:手に持った送信機の画面に映る、ロボットのカメラから送られた映像
四足歩行ロボットの搭載カメラで認識した敷設ライン