日本ドローン機構は、2025年3月31日、ベトナム国防省のドローン製造ライセンスを有するドローンメーカーGTEL ROBOT(以下、GRobot)と、ドローンパイロット育成に関する戦略的パートナーシップのMOU(基本合意書)を締結した。
協業の第1弾として、2025年度中にベトナム警察学校向けドローン操縦トレーニングを開始する。
ベトナムでは、急速な経済成長に伴いハイテク産業の振興に注力しており、特にドローンを含む先端技術への期待が高まっている。農業での活用はすでに進んでおり、今後は警察・防災、インフラ点検や物流など、さまざまな分野でドローンの導入ニーズが拡大することが見込まれている。
日本ドローン機構は、教育・運用実績のグローバル展開を目指し、特に成長が著しい東南アジア地域への事業拡大を戦略的に進めている。警察学校や防災機関のドローン運用ニーズが高まるベトナムにおいて、現地のドローンメーカーであるGRobotと協業することにより、最適化したトレーニングプログラムの開発・提供が可能になる。
GRobotは、ベトナム国防省よりドローン製造ライセンスを取得しており、開発から実用化まで一貫して自社で対応が可能。ベトナム電力公社(EVN)や軍関係、医薬品配送など国内外の大手団体、台湾軍での導入実績があり、高いセキュリティ性能と信頼性をもつ。2023年度には日本の準天頂衛星システム「みちびき」を活用した高精度測位補強「MADOCA-PPP」の実証事業に参画し、電力不足が課題となっているベトナムにおいて、新たなソリューション開発に取り組んでいる。
両社は今回のトレーニングを皮切りに、警察・防災分野だけでなく、他の官公庁や民間企業向けのドローン導入支援も視野に入れている。安全なドローン運用に必要な操縦技術のほか、運用マニュアルの策定や教育手法の整備、点検・防犯などの実務への応用を含め、総合的なサポートを提供する。
【トレーニングプログラム概要】
MOU締結日 | 2025年3月31日 |
トレーニング開始予定 | 2025年度 |
対象 | ベトナム警察学校(教官・学生など) |
目的 | ドローンパイロット育成を通じた警備業務の高度化、および公共分野でのドローン活用推進 |
期待される成果 | 上空監視や災害時の状況把握、物資輸送など幅広い場面で警察・防災機関がドローンを有効活用できる体制の整備 |