2025年4月8日、QBIT Roboticsは大和物流と共同で、大和物流が館内物流業務を運営する商業施設「iias(イーアス)高尾」において、配送ロボット「DR2」を用いた実証実験を実施したことを発表した。

 この実験により配送ロボットの安全性や運用の課題を確認し、将来的な物流効率化の実現可能性を検証する。実施期間は、2025年1月28~30日。

通路を走行するロボット
ロボットの荷物を出し入れする様子
実証実験の様子
イーアス高尾の外観

 大和物流は、商業施設やオフィスビルにおいて館内物流業務を行っている。人口減少に伴う人手不足が深刻化する中、持続的で安定的な運営モデルの構築が課題となっていることから、「施設共用部における配送ロボットの走行時における安全性」および「テナント向け集配作業の自動化の実用可能性」を検証することを目的に実証実験を実施した。

【実証目的】

  • 不特定多数の来館者が行き交う環境において、配送ロボット走行時の安全性を検証
  • 配送ロボットを活用したテナント向け配送業務サービス自動化の可能性を確認
  • 配送ロボットを館内配送業務に活用する際の課題の抽出

【実証内容】

  • 荷捌き場からバックヤード、館内共用部を経由し、3店舗への小型荷物の配送を実施
  • インフォメーションカウンターから館内共用部およびバックヤードを経由し、防災センターまで拾得物の配送を実施

【実証結果】

  • 人が近づいた際に音や光を発する装置をロボットに装着し、来館者への注意喚起を効果的に行ったことで、非常停止などのトラブルは発生せず、安全性が確認できた
  • 施設バックヤードから館内共用部へ出る際のドアの開閉については課題が残ったものの、ドアの自動開閉を可能にするロボットのカスタマイズ条件を確認することができた
  • 売り場への配送については、店舗内レイアウトを見直すことで店舗内部への配送が可能となることを確認した

【DR2スペック】

ロボットサイズ高1032mm(操作パネルの高さまで)幅536mm×523mm
最大積載重量45kg
最大速度1.2m/s
充電時間4〜5時間
稼働時間稼働時(0.9m/s):20時間
段差18mm
登坂能力10°以下
溝超え30mm

※複数のセンサーにより、人や物を認識して自動的に停止・回避。